夏風邪が冬風邪よりもしんどく感じるのは、高温多湿の環境に加え、冷房が効いた屋内と外との温度差によって自律神経が疲弊し、熱帯夜での睡眠不足、発汗による塩分喪失にともなう慢性的な脱水傾向、食欲不振など夏特有の問題が重なり、もともと症状の強いウイルスの影響と「ダブルパンチで倦怠感やだるさを強く感じたりする」ということだ。
そこで久住医師は、夏風邪対策のカギとなる次の栄養として、タウリン、ビタミンC、ビタミンD、亜鉛、ビタミンB群、乳酸菌や発酵食品の摂取をすすめている。これらの栄養が互いに補い合い体の防衛機能を支えるので、バランスよく積極的に取り入れることが大切だ。

また、「夏に負けない体力づくり」も重要だと久住医師は話す。まずは自律神経。屋内と屋外との気温差が大きく、そこを出入りしているうちに自律神経が乱れて、頭痛、倦怠感、胃腸の不調、睡眠の質の低下といった、いわゆる「夏バテ」の状態となる。また室内の温度が低すぎるとウイルスや細菌に対する防衛反応が鈍くなり、免疫力が低下する。エアコンの風に当たっていると粘膜が乾燥して感染症にかかりやすくなる。そこで、冷房は「涼しすぎない」程度に設定することが大切だ。
また、シャワーよりも湯船に浸かる入浴により、自律神経のバランス回復が見込まれる。41度以下のお湯に浸かってリラックスすれば、副交感神経が優位になって睡眠の質が向上し、疲れが取れる。
さらに、夏風邪は経口感染なので、手洗いうがいを徹底する。歯垢や歯周病が免疫機能を乱すとも言われているので、口腔ケアも欠かせない。夏風邪は冬風邪よりも強力でしつこい。しっかり予防しておこう。


