健康

2025.06.17 08:15

仕事の効率を落とす「頭痛の我慢」、薬を飲むべきタイミングは

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我慢できない頭痛の対処法では、市販の頭痛薬を飲むという答えが5カ国全体ではもっとも多かった。全体の割合が次に多い「休養をとる」では、日本が5カ国中最低レベル。自然に治るのを待つ、つまり何もしないという人の割合も、日本がトップクラスだった。

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頭痛薬を飲むタイミングは、30分以上1時間未満がいちばん多く、ほぼ同じ割合で10分以上30分未満と続く。注目すべきは、日本でこれらのタイミングで薬を飲む人の割合はもっとも低く、反対に、服用しないという人の割合が5カ国中でもっとも多いことだ。

薬を飲まず休みもせずひたすら痛みに耐える日本人の対応は、江戸時代の武家社会なら賞賛されただろうが、はたして適切なのだろうか。日本人の薬に対する拒否感も強いようだ。東京歯科大学市川総合病院神経内科の柴田護教授は、片頭痛などの発作では、痛みが弱いうちに頭痛薬を飲むことを推奨している。

頭痛には、命にかかわる疾患が隠れていることもある。我慢して放置すると重症化する恐れがあるため医療機関にかかるのが基本。ただし、環境変化やストレスなどの心的変化で誘発される片頭痛の場合は、頭痛で気分が落ち込み、それがさらに頭痛を悪化させる悪循環を引き起こすことから、早めに頭痛薬を服用するのがよいということだ。

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集中力が低下して仕事のパフォーマンスも落ちて、周囲の人に心配をかけてしまうなど、いろいろな面で頭痛を我慢するのはよろしくない。外出機会の調整、適切な薬の服用、リラクゼーション、ストレス要因の回避などで対処することが大切だ。片頭痛は治療法が進歩していて予防も可能になっているので、もっと積極的に医療機関を受診してほしいと柴田医師は話している。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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