欧州

2025.06.11 11:30

「光ファイバーで編まれた鳥の巣」が予告する、ウクライナの夏の過酷なドローン戦

ウクライナ軍兵士が撮影した光ファイバーで編まれた鳥の巣(Xのスクリーンショット)

現時点では、光ファイバードローンに対する有効な対抗手段は存在しない。

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ネット(網)をかければドローンを目標到達前に捕捉できるかもしれないが、ロシア軍が補給ルート上に設けた対FPVドローンネットをすり抜けるドローンの映像は、わずかな隙間でさえ致命的なものになり得ることを示している。先に挙げたいくつかの動画を見てもわかるように、侵入可能な箇所をすべて塞がない限り、どんな建物も光ファイバードローンに対しては安全でない。

光ファイバーケーブルをたどれば操縦士の位置を突き止めることができるのではないかと言う人も多いが、光ファイバーで覆われた平原の様子から明らかなとおり、それはいまでは不可能に近い。

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光ファイバーケーブルを切断すればいいのではないかという意見もよく聞く。たしかに、クワッドコプター(回転翼4つのドローン)がその回転翼で敵機の光ファイバーを切断するところが映っているとされる動画があるが、映像からは実際に切断しているのかは判然とせず、仮にそうだとしても一度きりの例にすぎない。高速で接近してくる光ファイバードローンを探知し、その背後に回り込み、ケーブルを見つけて切断するというのは、かなり難易度が高い。

散弾銃で武装したドローンは敵のFPVドローンを撃墜するのには有効だが、FPVドローンを追跡するのはまた別の問題になる。ウクライナ軍の精鋭ドローン部隊「マジャールの鳥」は戦術レーダーの助けを借りてロシア軍の光ファイバードローンを迎撃しているが、範囲は限られるようだ。

おそらく今後、光ファイバードローンと迎撃ドローンによる空中格闘戦(ドッグファイト)が繰り広げられるようになるだろう。ドローンの速度を考えると、こうした交戦では自動化が必要になると考えられる。

光ファイバードローンの使用は両軍で急速に増加しており、それに対抗するための取り組みも続いている。だが、光ファイバードローンの夏がいつまで続くのか、あるいは何がそれを終わらせるのかは、まだ誰にもわかっていない。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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