iOSの即戦力はライブ翻訳と迷惑電話対策
iPhoneのユーザーが秋以降に正式リリースを予定するiOS 26を導入後、すぐに即戦力として使えそうな役立つ機能を3つピックアップする。
ひとつはApple Intelligenceを活用する画期的なコミュニケーション機能の「ライブ翻訳」だ。iPhoneの場合、メッセージとFaceTime、電話のアプリとライブ翻訳の相性がとてもよい。メッセージではユーザーが入力したテキストをすぐさま指定の言語に訳す。FaceTime（ビデオ/オーディオ）と電話の場合、音声からテキスト、音声から音声への翻訳変換に対応する。ライブ翻訳はオンデバイス処理を基本としているため「レスポンスの良さ」が特徴だとアップルはうたっている。その精度と速さが日本語でも実現できるのか、アップル独自のモデルによる実力が試される。
電話アプリには迷惑電話対策を目的とした便利な「通話スクリーニング」が加わる。すでに提供されているiOS 18以降から採用するライブ留守番電話は、iPhoneで電話に出られない時、相手が留守番電話にメッセージを残している最中にメッセージの内容をリアルタイムで文字に起こす。
通話スクリーニングはこれを発展させた機能だ。連絡先にない番号から着信した時に、相手が留守電機能に切り替わるとバックグラウンドで自動応答を返す。発信先が「名前」と「要件」を伝えるまで着信音は鳴らさない。着信音通知に切り替わった後も、ライブ留守番電話は有効なままになり、テキストに起こされた名前と要件を確認してユーザーは電話に出るかを判断できる。
iOSのメッセージアプリには、ユーザーが不明な送信者からのメッセージをスクリーニングできる新機能も載る。不明な送信者からのメッセージは専用のフォルダに仕分けられるので、内容を確認してユーザーが削除や返信すべき内容かを決められる。
iPhoneが大きなシェアを獲得している日本では、iPhoneを利用するシニアユーザーも少なくない。筆者の母親もその中の1人だ。筆者のiPhoneにもこの頃差出人非通知のメッセージや電話が頻繁にかかってくる。高齢の母親には通話とメッセージのスクリーニング機能をオンにして、とにかく不審な連絡にはすぐに折り返さないことを覚えてもらうように伝えたいと思う。
ユーザーがコールセンターなどに電話をかけて待ち時間が発生した時に、Apple Intelligenceが代わりに待機してくれる「保留アシスト」という機能も新設される。待機後にオペレータが応答した時にはユーザーを通知音で呼び出し、通話相手には間もなく電話に応答することを自動音声が伝えてくれる。これは現在のiOS 18世代のプラットフォームに先行追加してもらいたい機能だ。
Apple Intelligenceが使えるiPhoneにはカメラを向けた対象について検索したり、ChatGPTを使って質問できるビジュアルインテリジェンスという機能がある。このビジュアルインテリジェンスが、iPhoneの画面をキャプチャした画像の内容についても検索・質問ができるようになる。使い勝手は少し違うが、できることはAndroidスマホが先行導入する「かこって検索」に近いAIを活用する検索機能と考えればいいだろう。
