「デジタル境界線」の重要性:ドゥームスクローリングによる生産性低下を防ぐために
あなたは、どんな「デジタル境界線」を設定しているだろうか? 複数の科学研究によると、人は割り込みが入ると、もともとの思考の流れを取り戻すのに23分以上の時間がかかるとされている。こうした「回復までにかかる時間」の存在は、十分に裏付けがある話だ。
メールやSlackのアラートなども、こうした思考の流れの断絶を引き起こすおそれがあるが、さらにドゥームスクローリングによって、自ら生産性の低下を引き起こしているとしたら、いったいどうなるだろうか?
複数のタスクを切り替えていると生産性が大幅に低下するが、時には業務上そうせざるを得ないこともある。注意力が散漫にならないよう管理を行うことは、時間管理の重要な側面の一つだ。そして、生産性を発揮すべき時間帯に、何であれば割り込みを許すのかを決めておくことも大切だ。
毎日のつらい仕事から逃避しようとして、結局は不満やネガティブな感情にとらわれ、息抜きに見るものはAIが生成した現実にはあり得ないような動画だった、ということはないだろうか? 本当に必要なのは、やるべきタスクに取り組む集中力なのに。しかし、それはあなただけではない。
ドゥームスクローリングから抜け出し、ソーシャルメディアのネガティブな影響を最小限に食い止めるためのカギとなるのが「デジタル境界線」だ。ネットは文字通り「情報に満ちた世界」や、AIによる洞察を提供してくれるというメリットもあるが、同時にフェイク画像やネガティブな言説、二極化をあおる投稿などが集まり、人のメンタルをむしばむ汚水だめのような場所でもある。
自分の人生や仕事、キャリアに、どんな要素を取り込みたいだろうか? バランスを保ち境界線を引けば、自分にとって一番重要な事柄に集中できる。あなたが本当に人生に取り入れても良いと思う要素は何だろうか?
Z世代は、失われた集中力を取り戻すためにドゥームスクローリングをやめ、有意義なつながりへと回帰するために、マインドフルで意識的な取り組みをすでに始めている。


