2. デジタル・ミニマリズムと、シンプルフォンの活用
クリス・カスパーは、Techless(テックレス)という企業の創業者だ。同社では、価格399ドル(約5万7400円)のシンプルなスマートフォンを販売し、「健全なテクノロジーと共に、充実した人生を送れるよう導く」とうたっている。同社が販売する『Wisephone(ワイズフォン)』のメニュー画面にはアイコンがなく、文字だけが表示される。モニターの色も2色だけで、フォントも2種類に限られる。
カスパーは、自社製品のデザイン哲学について、「私たちは、『本当に私たちにとって良いものとは何か?』という問いを投げかけている」と語る。
スマートフォンの対極にあるシンプルフォンを手に取る心情は、90年代へのノスタルジアから来る、古き良きものを求める旅ではない。これはZ世代、そしておそらくはすべての世代にとって、ドゥームスクローリングの悪影響から逃れるための重要なプロセスなのだ。
3. メンタルヘルス、実体験、つながりを最優先する
米国で各世代の研究やコンサルティングを行う「センター・フォー・ジェネレーショナル・キネティクス(CGK)」の調査では、「米国にメンタルヘルス危機が存在する」と考える者の割合は、Z世代の回答者では84%に達した。
事実、タイム誌も「インスタグラムは、我々の世代に深刻な被害をもたらしている。これを食い止めるための取り組みが必要だ」というタイトルの記事を掲載したほどだ。ここにおける問題の核心は、いかにバランスを取るか、という点にあるように思える。
「一旦立ち止まること」は、より良いウェルビーイングに向けた最初のステップになるだろう。自分自身に対してドゥームスクローリングを新たな視点(おそらくは、より現実的な視点)で見るよう、問いかけてみるのだ。これまで思っていたほど無邪気なものでもないし、無害でもないものとして。
Z世代は、現実世界での活動に向かう他の選択肢を積極的に探している。スローガンは「スクロールを控えて、もっとリアルを生きよう」だ。


