チームの潤滑油としての役目も
オイシイファームの募集要項(募集は終了)には、他にもさまざまな業務が記載されている。

オイシイファームのCoSの募集要項
事務的なサポートはもちろん、投資家対応やプロジェクトマネジメントなど守備範囲は他の業種と比べて幅広い。Pathfinderの小野﨑CEOは社長室長や社長の右腕ではないと話しているが、オイシイファームでは「右腕」と表現。CoSの業務内容や位置付けは企業によって異なる。
ここまでは、CEOの価値を最大化させるという役割を紹介してきたが、組織を円滑に回す役目もある。
日本で先駆的にCoSを導入したHQの坂本祥二CEOは、創業した2021年から2人を採用してきた。なかでも創業1年未満にCoSを採用したことについて「これまでの意思決定の中でも最高のもののひとつだった」と評価している。
創業期は人員が足りないため、メンバーは営業にマーケティングに経理に広報と、さまざまな業務を兼任する。ただ、マルチタスクは業務効率が下がる。例えば長期目線の仕事に取り組んでいる人に短期で終わる仕事をお願いしたり、新規顧客の獲得という攻めの仕事に奔走するメンバーに契約書の管理という守りの仕事をお願いすると、切り替えにストレスがかかったり、モチベーションの低下を起こしたりする可能性がある。
「まだ組織化が十分にされていないなかで頼れる先がないとCEOはいろいろな仕事を自分で抱えてしまい業務が滞ってしまいますが、そこにCoSがいることで円滑に回り出します」(坂本CEO)。
PathfinderのCoSだった原氏は、銀行借入れやCEOの抱えている業務を引き受けるということに務めつつ、現場のボトルネックを解消することも業務の一つだったと振り返る。
原氏がCoSについた2023年当時は、現在の主力事業を立ち上げた時期。しかしメンバーは大多数が業務委託で、皆pathfinderだけで仕事をしておらず、常にコミュニケーションが取れる状況ではなかった。そうしたなか、現場の連携がスムーズに取れていないという課題があったという。
経営陣は、各部門のKPIをモニタリングして売り上げの最大化をはかるが、現場の部門間の連携が取れていなかったりリソースが足りていなければ、実行スピードが落ちたり顧客のフォローが不十分になったりといったことが起きる。
「現場の目線で複数の部署を横断的に見る人がいなかったため、私がその役割になり、トップから見えにくいボトルネックを把握して改善するように動いていました」(原氏)
オイシイファームの前原氏も時間ができれば現場である工場に出向き、作業着に着替えてマネージャーや作業員、エンジニアらに日々の業務の悩みや課題をヒアリングしている。課題をすくい上げ、経営陣に伝えるという橋渡し的役割も担っている。CoSは決してなんでも言われたことを引き受ける便利屋ではない。むしろ先回りしてCEOや現場の抱えている課題を解決しにいく存在なのだ。


