バイラルヒットのぶさかわチャーム「ラブブ」がブランドに教える5つのこと

Photo by Raimonda Kulikauskiene/Getty Images

コレクター市場であり文化運動

また、ラブブの成功を示す最も明確なサインは、そのもたらす利益に表れているだけではない。ラブブのファンたちの間には、感情的なつながりが生まれている。ラブブを収集することは単なるモノの所有ではなく、アイデンティティや創造性、そしてつながりを持つことに関連している。

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その多くが画面を通じたインタラクションの世界で成長したZ世代とミレニアル世代の消費者にとって、ラブブは触覚で感知することができる何か、心に響く何かを提供するものだ。マインドフルに(心を配りながら)行われる収集には、「ピクセル」にはとりなすことができない遊び感覚がある。

そして何より重要なのは、ラブブには「コミュニティがある」ということだ。

ファンが交流するオンラインコミュニティがあり、トレードを楽しむリアル(対面形式)のイベントがあり、単なる商品ではなく体験を共有するためのものだということを、ファンアートを通じて再確認することができる。

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小売業界は何を学べる?

では、このラブブの熱狂的な流行から、ブランドが学べるのははどのようなことだろうか?

1. エモーションは利益を生む:感情的なつながりを感じることができるキャラクターは(たとえ伝統的な美の基準に従ったものではなくても)、強固なブラインドロイヤルティを形成する

2. ミステリーはつながりを生む:(中身がわからない)ブラインドボックス・モデルが証明するのは、熟慮の上で実行される「ゲーミフィケーション」は、リピート購入とSNSを通じた共有につながるということ

3. SNSは「店舗」:TikTokや小紅書がトレンドセッターとなる世界において、製品はデザインとマーケティングのどちらに関しても、本質的に「シェアし得る」ものでなくてはならない

4. 懐かしさと新しさは併存可能:ラブブは昔からあるおもちゃのスタイルに、現代的なデザインを取り入れ、デジタル行動を考慮したものになっている。鍵となっているのは、これらの融合

5. 知的財産は「王様」:ポップマートがそのキャラクターの世界を拡大する中で明らかになっているのは、知的財産(IP)がコンテンツにとどまることなく、製品や体験においても非常に大きな潜在力を持つということ

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編集=木内涼子

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