健康と体重減少が同義ではないというこの考え方は、他の2つの新しい研究にも共通している(これら2件の研究は、先週アメリカ栄養学会[American Society for Nutrition]の会議で発表されたものであり、まだ査読付きの学術誌には掲載されていない点には留意が必要である)。
2つ目の研究。数十年にわたり約20万人を対象に行われた大規模な分析では、低炭水化物食か低脂肪食かといった違いよりも、食品の質の方が重要であることが明らかになった。どちらの食事法も、質の低い食品と比べて心臓病発症リスクを約15%低下させたが、両者の間に明確な優劣はなかった。決め手となったのは全粒穀物、果物、野菜、豆類、ナッツ類を多く摂ることだった。対照的に、ジャガイモや精製穀物、動物性食品由来の飽和脂肪やたんぱく質を多く含む食事は、リスク低減効果が小さかった。
つまり、食事に脂肪が多いか炭水化物が少ないかよりも、加工食品ではなく本物の食品を食べることがより重要なのである。
そして3つ目の研究。これは豆類に焦点を当てている。研究者らは、糖尿病予備軍の人々が黒豆またはヒヨコ豆を1日1食摂取することで、わずか12週間でコレステロールと炎症が大きく低下することを発見した。この研究は糖尿病予備軍の人々のみを対象としたものだが、これ以前の多くの研究でも、糖尿病予備軍でない人々にとっても豆類の健康効果が示されている。
これらの新しい研究は、食事の成果を体重という数字だけで判断してきた私たちに希望をもたらす。実際には多くの場合、身体の中では私たちが知るよりも多くのことが起こっているのだ。


