Bloomberg.co.jp によると5月7日、アップルのサービス部門責任者エディー・キュー氏が自社のウェブブラウザー「サファリ」について、AIを活用した検索エンジン搭載の仕様に再編することを積極的に検討していると話し、長年続いてきたグーグルとの提携が終了する可能性をにおわせた。
キュー氏はサファリでの検索件数が4月に初めて減少したことに言及し、これを人々がAIを使うようになったためだと指摘。この発言も受け、アルファベット株は同日、7.3%安と2月以来の下落率をつけた。
現在、SNS上でも「ググるは死んだ」「Googleが終わる日」といった文字が踊っている。
だが一方、生成AI利用が増えるともっとも問題になるのが「ハルシネーション」に気づかず得られた回答をそのまま使用することによって起きる齟齬や事故ともいわれる。「ハルシネーション」とは、チャットAIなどがもっともらしい誤情報(=事実とは異なる内容や、文脈と無関係な内容)を生成することだ。
「ググる」は本当に「死ぬ」のか? そしてもしも人々が「検索」をしなくなれば、どんなリスクがそこにあるのか?
以下、麗澤大学工学部教授で起業家でもあり、対話システム、テキストマイニングなどAI周辺の研究開発に一貫して携わってきた科学者で、情報専門家のための組織である情報科学技術協会(INFOSTA)会長も務める清田陽司氏の寄稿である。
「AIが答えてくれる時代に、私たちは何を問うべきか?」
生成AIの進化によって、私たちの情報の扱い方は大きく変わりつつあります。自然な言葉で質問すれば、即座に“答えらしきもの”が提示される時代。文章の生成、要約、翻訳、図解、さらにはコードまで、AIツールが日々の業務に欠かせない存在となりつつあることは間違いありません。
こうした変化は、従来のキーワード検索に依存した情報探しのスタイルにも影響をもたらしています。生成AIは、検索の一形態を担う存在となりつつある━━そう捉えることもできるでしょう。
しかし、ここで一つ重要な問いがあります。
「AIが答えてくれる時代に、私たちは何を問うべきか?」