2. 相手を怒らせないよう慎重になっていない
恋愛関係における心理的安全性の欠如を最も明確に示す兆候の1つは、絶えずつきまとう緊張感だ。相手を怒らせないよう言葉に気をつけたり口調を合わせたり、あるいは感情を抑えたりしなければならないような感覚だ。
心理的な慎重さは必ずしも深い対立を伴うとは限らないが、静かな苦痛のようなものを生み、絶えず自分を監視しているような状態に陥る。やがて感情面での反発を避けるために喜びを表に出さず、失望を隠し、自分を抑えるようになるかもしれない。
専門誌『The American Journal of Family Therapy(ジ・アメリカン・ジャーナル・オブ・ファミリー・セラピー)』に2012年に掲載された研究では、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状と感情的な安全性を感じること、恋愛関係の健全性の関係を調べたところ、恋愛関係において安全だと感じることが、トラウマ症状が関係に及ぼす影響を完全に解消することがわかった。
言い換えると、恋愛で深い傷を負ったとしても、恋愛関係の健全性を左右するのはトラウマそのものではなく、パートナーに対してどれだけ安全だと感じられるかだ。
つまり、感情面での安全性は恋愛関係に付いてくるものではなく、関係の真の基盤なのだ。一貫して共感が得られ、守りの姿勢をとる必要がない関係であれば、双方が警戒心を解ける。感情のコントロールを「演じる」必要はない。たとえ気持ちが混乱したり、傷つきやすくなったり、あるいはベストな状態でないときでも、素の自分でいられる。
安全な恋愛関係では、自分の気持ちをそのまま表現できる。最悪な日があってもいい。難しい話題を持ち出すこともできる。親密さを失うことなく、意見をぶつけ合うことすらできる。
感情面での安全性を確立することが難しい場合は、以下のことを試してみてほしい。
何か良いことや悪いことを相手と共有するのをためらう自分に気づいた場合、相手の反応を恐れているのだろうかと自問する。意見や頼み事、くだらない話などあなたが我慢していることを1つ選び、それをやんわりと、だが率直に伝える。そして相手の反応をみる。相手は詰め寄ってきたり、黙り込んだり、そっぽを向いたり、身構えたりしないだろうか。相手の反応によって、2人の関係が本当に安全かどうかがわかる。
3. 対立後に関係を修復する
対立そのものよりも、解決策の欠如が恋愛関係を損なうことが多い。心理的に安全でない関係では、意見の対立はすぐに非難や引きこもりへと発展する。だが、安全な関係では対立は関係の終わりを意味しない。一旦立ち止まって修復の方法を検討するという、本来あるべき機会となる。
心理療法士のジョン・ゴットマンらによる2015年の研究によると、最も効果的な対立の修復は論理的なものではなく感情的なものだという。感情面での修復は早い段階、多くの場合、対立から数分以内に起こり、温かさや共感、ユーモア、あるいは傷つきやすさを通じて気持ちを落ち着かせる。これらの小さな合図は「たとえ意見が違っても、大丈夫」であることを示す。
修復が関係の中で当たり前のものになれば、過ちがさほど脅威でなく感じられるようになる。双方が対立を恐れたり、つらい思いをしないよう用心深くなることはない。そうではなく、たとえ相手に向き合った途端また口論したとしても、互いを気遣い、関心をもって接するようになる。
大事なのは、気持ちの収拾がつかなくなるまで放っておくのではなく、早めに関係を修復することだ。「さっきのことをずっと考えていたんだけど、話せる?」「正しいかどうかより、私たちのことを大切にしたい」などと言ってみよう。早期に修復することで緊張が和らぎ、対立がエスカレートすることを防げる。
ゴットマンの研究に基づくと、修復は複雑なものである必要はない。タイムリーで本心からのもの、そして感情的に一致するものであればいい。修復のための6つのコツを紹介しよう。


