キャリア

2025.06.09 09:30

年収1400万円超えも、専門スキルを生かす「ニューカラー」のキャリア10選 米国

LumiNola / Getty Images

LumiNola / Getty Images

米国ではいま、学位を採用要件に盛り込まず、従来の4年制大学を卒業していないスキルを持つ人を雇用する動きが勢いを増している。対象の職種は「ニューカラー・キャリア」と呼ばれるもので、事務系のホワイトカラーでも肉体労働のブルーカラーでもない。ハーバード・ビジネス・レビューによると、この変化は、学士号を持たないために昇進できず、低賃金の仕事から抜け出せない多くの労働者に恩恵をもたらすという。学位ではなくスキルを持つ人を求める企業が増えるにつれ、ニューカラーの労働者は雇用市場で人気を集め、高収入を得るようになっている。

ニューカラー・キャリアとは

アクセンチュアの報告書は、以前は学位が必要でなかった求人の応募者に4年制大学の学位をますます求めるようになっている「学歴インフレ」が広範にわたって如実にみられ、米国の労働市場を非効率なものにしていると指摘している。同報告書によると、雇用主の60%以上が大卒でないという理由だけで、スキルや経験の面では条件を満たす応募者を不採用にしている。

そこで、ニューカラー・キャリアの登場だ。これらの仕事は通常、ブルーカラーのように肉体労働を伴わない。また、ホワイトカラーとも違う。というのも、学位の代わりに技能訓練を売りとしているからだ。ニューカラー・キャリアに対する需要は採用の潮流を変えつつある。先進的な企業は、採用の必須要件から「4年制大学の学位」という項目をなくしている。

新規雇用の60%がニューカラー職になるとの予測

製造業の仕事も復活しつつあり、年収8万ドル(約1160万円。1ドル=145円換算)を超えるものもある。米労働省労働統計局は、2020年から2030年の間に、新規雇用の60%(なかには10万ドル[約1450万円超]の報酬を得られるものもある)が学位を必要としないニューカラーの職になると予測している。人工知能(AI)が仕事を様変わりさせ、不況を懸念する声が根強く残っている中、人々は学位が本当に価値あるものかどうか疑問に思っており、ニューカラー労働者が要求を満たすことに気づきつつある。

「これらの仕事はスキル主導型で、職場で学ぶ。そして適応力は資格と同じくらい重要だ」と履歴書作成プラットフォームを運営するResume Genius(レジュメ・ジーニアス)のキャリア専門家エヴァ・チャンは説明する。「ニューカラーの仕事は、学位を取得してこそ成功につながるという考え方に挑むものだ。実践的なスキルや重ねてきた職歴、ポートフォリオ、あるいは強力な推薦をアピールすることで、大学の学費のために借金を増やしたり、何年も学校に通ったりすることなく、有意義で高収入のキャリアを築ける」とチャンは語る。

次ページ > 年収1450万円以上のニューカラー職

翻訳=溝口慈子

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事