夫がクローゼットから取り出したシャツを見て、妻がそっと首を振る。父親の着古したポロシャツに、娘が「それ、やめた方がいいよ」と一言。こうした光景は、多くの家庭で見られるのではないだろうか。
オンワード樫山が全国の女性385名を対象に実施した「身近な男性のファッションに関する意識調査」によると、女性の60.8%が夫(パートナー)や父親の服装を「気にする」と回答した。「とても気にする」(14.8%)と「やや気にする」(46.0%)を合わせた数字で、3人に2人近くが身近な男性のファッションに関心を持っていることがわかった。
一方で「あまり気にならない」(23.9%)「全く気にならない」(9.1%)は約3割程度にとどまった。
最多の不満は「ファッションに無関心で個性がない」
夫(パートナー)・父親の服装で気になる点については、「ファッションに興味がなく、個性がなさすぎる」が37.9%で最も多かった。次いで「今のトレンドに合っていない」(27.8%)、「アイテムを上手く着こなせていない」(27.3%)と続き、男性の無関心さや着こなしの技術面への指摘が上位を占めた。
これらの結果から、女性が求めているのは必ずしも最先端のおしゃれではなく、最低限の関心と配慮であることがうかがえる。一方で「こだわりが強く個性がありすぎる」という回答も9%あり、行き過ぎた個性も敬遠される傾向にある。適度なバランス感覚が求められている状況が浮かび上がった。

夏場に求められるのは何より「清潔感」
夏のファッションで気をつけてほしいことを尋ねた質問では、「臭い」(37.1%)が最も多い回答となった。続いて「TPOにあっていない」(23.4%)、「体形に似合っていないファッション」(20.8%)が上位に入った。
これらの結果を見ると、女性が夏の男性ファッションに求めているのは、見た目の華やかさではなく、場面に応じた適切さと清潔感であることがわかる。「汗じみ」(10. 9%)という回答もあるように、汗をかきやすい季節だからこそ臭いへの配慮が最重要視される。また、薄着になる夏は体型が目立ちやすく、服装選びの難しさも増すことから、こうした結果につながったと考えられる。
