医師にも弁護士にもなるAI
人間側の官僚主義が進展を多少遅らせるものの、AIは医師や弁護士の役割を学習するとエルは予測する。最終的に「人間が介在する」工程は、単調な入力作業や、AIに任せにくい機密性の高い認証・承認業務などへ絞られる。
コールセンターの未来についての予測は興味深い。
「驚くほどレトロな成功例として、AIエージェントがタスクから外れた際に人間が介入するコールセンターや、AIが信頼・認証(取引の確認など)やボタン操作の複雑なUI(主にレガシーソフトウェアなど)を人間のクラウドワーカーに委託し、AI自身は知識・知能集約型の業務を担当するケースが挙げられます」。
さらにエルは、2030年のノーベル賞をめぐり人間とAIが同時受賞を争う場面を想像する。
私が好きなのは以下の部分だ(太字は私による)。
「ノーベル賞の功績は多くの議論の対象となるが、最終的に(2030年に)デミス・ハサビス(最も関与した物理学者のひとり)と最も重要なAIシステムそれぞれに賞が授与されることになる。みんな好き勝手に持論を展開するだろう」。
新時代の国家戦略
エルは、中国共産党が2026年に第15次5カ年計画を発表すると仮定し、中華帝国と米国という二大勢力の競争を論じる。ファーウェイなどがエヌビディアに肉薄する可能性にも触れる。
またエルは、アメリカの産業界と政府が、中国がグローバル市場を支配したりスパイ活動を進めるための重要技術を入手することを阻止する戦略に注力する可能性が高いと指摘する。
「特に中国、さらにはロシア、イラン、北朝鮮に対するサイバー優位性にこだわる米国国防当局からの、完全にセキュアなソフトウェアへの需要が高まっている」。
さらに、エルは、人々がロボットコンパニオンと過ごす時間を優先し、他の人間との関わりや従来の生殖システムが後回しになることで、人間人口が減少する可能性を示唆する。


