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2025.06.07 10:00

iPhone版デジタルマイナカード登場で、あなたの生活はどう変わる?

マイナカードのiPhone搭載開始を発表する平将明デジタル大臣

マイナカードのiPhone搭載開始を発表する平将明デジタル大臣

2025年6月24日、この春のリリースを予定されていたデジタル化されたマイナカードのiPhoneへの搭載が始まると平将明デジタル大臣が記者会見で明らかにした。

マイナポータルアプリからApple Walletにデジタル版マイナカードを追加することで、券面が表示されるようになり公的身分証明書として利用可能になる。iPhoneの生体認証で本人であることが認められるため、本人確認だけならば画面上に券面が表示された時点で、パスワードなどの入力なく本人の確認が取れる。

米国で運転免許証として実装されているのに次ぐ、世界的には二番目の公的身分証明書機能となが、さらに今後の行政サービスのデジタル化を前進させる大きな一歩となる。

「スマホが行政サービスのパスポート」に

iPhoneへのマイナンバーカード機能搭載は何をもたらすのか、まずはまとめておこう。

デジタル版マイナカードは、マイナポータルアプリからApple Walletに追加することで実現する。

追加時には物理的なマイナンバーカード、券面入力用暗証番号(数字4桁)、署名用パスワード(英数字6〜16文字)が必要となるが、一度追加すると通常のApple Walletカードと同様の使い勝手で利用可能だ。

これまでマイナポータルにアクセスするだけでも、いちいち物理カードを介する必要があった、今後はiPhoneの生体認証を通じて手軽に利用可能になる。

現在のところ、Android端末で使われるGoogle Walletには対応しないが、技術的には可能であり、近い将来の搭載に向けて作業を進めているというが具体的なスケジュールは見えていない。今回はAppleの協力のもとに実現されており、同様にGoogleとの協業は不可欠と考えられる。

1. 身分証明・本人確認

iPhoneにマイナンバーカードの券面を追加することで、対面でもオンラインでも公的な本人確認が可能となるが、部分的な個人情報共有をワイヤレスで行える利点も大きい。

例えば、コンビニのセルフレジではお酒を購入できないが、iPhoneをかざすだけで年齢情報を提供できるため、セルフレジでの取り扱いにも道ができるだろう。また、電子的に部分情報のみを自動確認する手法のため、店員には個人情報を見られる必要もない。

また物理カードを持ち歩く必要がなくなり、紛失のリスクも下がる。

2. 行政サービス利用の効率化

オンラインの本人確認にも活用できるため、政府のオンラインサービスであるマイナポータルアプリへのログインもiPhone上のデジタルIDでシームレスに行えるようになる。

また子育て支援、引越し手続きのオンライン申請、確定申告(e-Tax)の電子申請、医療・健診情報の閲覧など、すでにマイナカードと連携している行政手続きもスマートフォンのアプリ内で完結させることが可能だ。

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編集=安井克至

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