中東市場の期待からPROのアイデアが生まれた
ソニーのウェアラブルサーモデバイスの世界進出は2023年発売のREON POCKET 4に始まり、最新モデルのPROから展開地域を大きく拡大する。ソニーサーモテクノロジーの伊藤健二社長は、2020年の発売以来、REON POCKETには国内だけでなく海外からも高い関心が寄せられてきたと振り返る。
ライフスタイルや気候が異なる世界各地域のニーズに応えるため、同社の開発チームはREON POCKETの多様性を追求してきた。その成果がPROに結実している。伊藤氏は、世界中で気候変動が進む中、パーソナルサイズのクーリングデバイスが省エネの促進と地球温暖化の抑制にも貢献できるのではないかと期待を語る。
中東地域ではUAEのほか、サウジアラビア、バーレーン、カタールでREON POCKET PROが販売される。中東地域にはソニーの直営店がないことから、家電量販大手のジャンボ・エレクトロニクスなどパートナーと連携しながら商品を提供していく。
Sony Middle East and Africa FZE(SOMEA)のマーケティング部長である関口浩史氏は、日本で注目されていたREON POCKETシリーズが「中東でも必ずヒットする」という確信を得ていたという。2024年から先にシンガポールで販売を開始したREON POCKET 5を体験した時に、中東の厳しい暑さに対応するにはもっと高い冷感パフォーマンスが欲しいという声を、ソニーサーモテクノロジーの伊藤氏に伝えた。奮起した伊藤氏は、2024年夏頃に、従来モデル比で約2倍の冷却パフォーマンスを持つREON POCKET PROの初期プロトタイプを関口氏の元に届けた。この時に関口氏をはじめ、プロトタイプを体験した複数のSOMEAのスタッフが中東地域における「PROの成功を確信した」という。
マーケティング部門ジェネラルマネージャーのMahesh Kodoth氏もその中の1人だ。いよいよ発売を迎えたREON POCKET PROが中東地域に生活する人々のウェルビーイングを支える革新的なデバイスになるだろうと、大きな期待を寄せている。Kodoth氏も、現在は通勤時間中からオフィスで過ごす時間まで1日中PROを身に着けて過ごしているという。ドバイではメトロとバスを併用して通勤するビジネスパーソンが多くいるという。「建物や交通機関の中はエアコンを完備しているが、駅からオフィスまで歩く時間も本機があれば快適に過ごしてもらえるだろう」とKodoth氏は語る。


