今や国民食とも言われているカレー。レトルトカレーやスープカレー、欧風スパイスカレーなど、これまでさまざまなブームが起きてきたが、近年の原材料の高騰や競争激化などの影響で、倒産件数は増え続けている。
帝国データバンクによると、インド料理店を含めたカレー店の倒産は、2024年度が13件となり、過去最多を更新した。2023年度も12件と高水準で推移しており、2025年度もすでに2件の倒産が発生していることから、個人営業など小規模店の廃業や閉店を含めると、実際にはさらに多くのカレー店が市場から撤退したとみられている。

カレーライスを過程で料理する際に必要な原材料や光熱費などの価格を基に算出した「カレーライス物価」を見てみると、2024年度は1食あたり365円となり、過去10年で再校を更新している。なかでも、ライスはコメ価格の高騰により、5年前から1.4倍に上昇したほか、肉や野菜も円安による輸入牛肉の高騰や、天候不順による野菜の高騰により、5年前に比べて1.3倍上昇している。そのほか、人件費や光熱費も高騰しており、店舗運営のコストを商品に転嫁していかないと厳しいというのも想像に難くない。

今後も、物価や光熱費の上昇は避けられず、いくらインバウンド客が増加しているとはいえ、厳しい戦いはまだまだ続きそうだ。
出典:帝国データバンク「カレー店の倒産動向について調査・分析」より