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2025.06.06 16:30

米ステーブルコイン「サークル」がIPOで1500億円調達、創業者はビリオネアへ

サークル創業者でCEOのジェレミー・アレール(Photo by Jemal Countess/Getty Images for TIME)

サークル創業者でCEOのジェレミー・アレール(Photo by Jemal Countess/Getty Images for TIME)

ステーブルコイン「USDC」の発行元として知られる米サークル・インターネットが6月6日、ニューヨーク証券取引所に上場し、約11億ドル(約1573億円。1ドル=143円換算)を調達した。ステーブルコイン発行元が新規株式公開(IPO)を行うのはこれが初めてのことで、創業者兼CEOのジェレミー・アレールはビリオネアとなった。

サークル株の公開価格は31ドル(約4433円)で、初値は69ドル(約9867円)と大幅に上昇してスタートした。同社株は一時103ドル(約1万4800円)前後と公開価格の3倍以上の急騰ぶりとなった。フォーブスは、午後2時時点の株価86ドル(約1万2298円)に基づいてアレールの保有資産を約17億ドル(約2431億円)と推計している。

サークルのIPOは、JPモルガン・チェースやシティグループ、ゴールドマン・サックスらが主幹事を務め、その他12の引受会社が名を連ねた。既存投資家のブラックロックやキャシー・ウッド率いるARKインベストメント・マネジメントも参加したと報じられている。

「当社は今回のIPOの需要の大きさに非常に満足している。投資家は、私たちが『新しいインターネットの金融システム』の入り口にいることを理解している」と、最高財務責任者(CFO)のジェレミー・フォックス=ジーンはフォーブスに語った。

今回のサークルのIPOは、2021年のコインベースの上場以来で暗号資産業界にとって最大の上場イベントといえる。ニューヨークに本拠を置く同社のステーブルコイン「USDC」の時価総額は610億ドル(約8.7兆円)で、市場シェアは、最大手「USDT(テザー)」の67%に次ぐ27%とされている。ステーブルコインは、かつては主に暗号資産のトレーディングに使われていたが、近年はフィデリティやバンク・オブ・アメリカ、メタなどの大手が、決済や国際送金のインフラとして関心を寄せている。

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編集=上田裕資

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