収益の99%以上を米国債投資からの金利収入に依存、事業の多角化で対応
USDCは、2018年のローンチ以来累計25兆ドル(約3575兆円)以上の取引を処理しており、そのうち約6兆ドル(約858兆円)は今年の第1四半期のみで発生した。サークルは長年にわたり、「テザーよりも厳しく規制され準備金の透明性が高い」と主張して差別化を図っており、監査済みの準備資産報告書も定期的に公表している。
サークルの2024年の収益は16億8000万ドル(約2402億円)で、純利益は1億5600万ドル(約223億円)だった。同社のリスク要因としては、収益の99%以上をステーブルコインの準備資産を米国債に投資することから得る金利収入に依存していることが挙げられる。サークルは、金利が1%下がれば収益のうち4.41億ドル(約631億円)が失われる可能性があるとS-1書類で警告している。
CFOのフォックス=ジーンは、この点に関して「事業の多角化が進行中だ」としている。その取り組みの例としては、他社のブロックチェーンネットワークとの提携からの収益や、USDCを送金・決済などに使うユーザーが追加機能に支払う料金などが挙げられる。これらの取り組みは2025年第1四半期に2070万ドル(約30億円)の売上を計上しており、まだ小規模ではあるが急速に成長しているという。
「分配コスト」の高さという課題
サークルはまた、「分配コスト」の高さという課題を抱えている。このコストは、ステーブルコインを利用者に届け、普及させる「ディストリビューター」への手数料で、サークルは昨年、約10億ドル(約1430億円)を外部に支払い、そのうち9億ドル(約1287億円)を大手取引所のコインベースに支払っていた。これに対し、テザーはディストリビューターに手数料を支払わずに市場シェアを維持している。
コインベースとリップルからの買収提案を断り、上場に踏み切る
サークルの上場までの道のりは平坦ではなかった。同社は、2022年末に90億ドル(約1.2兆円)規模の特別買収目的会社(SPAC)との合併を断念したほか、2023年には、準備金の一部を預けていたシリコンバレー銀行の破綻に見舞われた。サークルは、この準備金を最終的には回収したが、USDCの価値はこの影響で数カ月にわたって下落していた。
サークルは、今年4月にIPOを申請したが、それと並行して同社の評価額を約50億ドル(約7150億円)とする買収提案をコインベースとリップルから受けていたと報じられた。しかし、サークルはこの提案を断り、上場に踏み切った。
「当社にとって上場は、設立当初からの戦略のひとつだった」とフォックス=ジーンは語った。「サークルの取り組みは、金融サービス業界のインフラを数十年かけて作り変える大変革ともいえる。ステーブルコインのインパクトはまだ過小評価されている」と彼は続けた。


