経済

2025.06.09 08:00

従来の「失業率」はもう古い? 真の数値を測ろうとする新しい試み 米国

Vladimir Vladimirov / Getty Images

失業率の影響

米政府が発表する2025年における貧困ラインは、48州とコロンビア特別区の場合、4人家族で年間3万2150ドル(約463万円)、1人暮らしで1万5650ドル(約225万円)である。ひとり暮らしの貧困ラインは、週40時間労働で年間50週間働いたとして、時給7.83ドル(約1130円)である。4人家族の場合、時給は16ドル(約2300円)強になる。

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LISEPのデータは、50年来の低水準またはそれに近い失業率を維持している現状と矛盾している。企業は引き続き雇用を続けているが、そのペースは17万7000人の雇用を増やした4月よりも若干減速している。では、「本当の」数値とは何なのだろうか?

IndeedのHiring Labによると、現在政府が発表するほとんどのレポートは、今年最初の5カ月を特徴づけた、急激な政策変更による労働市場への影響をまだ完全に捉えていないという。一部の企業が「様子見」モードにある一方で、建設、製造、医療、専門サービス、観光などの業界では、求人広告の増加と雇用機会の増加が続いている。

確かに、米国の雇用市場は複雑で多面的なシステムである。貿易戦争と関税は米国の雇用市場を減速させてはいないが、レイオフを経験した政府労働者や技術労働者を含む多くの労働者にはいまだ逆風が吹く。複雑なマクロ経済の中で、中間管理職の雇用見通しは厳しいとの報道も続いている。失業率は、雇用をどのようにカウントするか、何をもって「雇用」とするかによって決まるのだ。

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forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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