5. 偽善に訴える
偽善へのアピールは、非難する人がナルシシストと同じようなことを過去にしてきた可能性が高いという事実で批判をかわすものだ。この手法でもまた、ナルシシストの行動が正しいか間違っているかを論じるのではなく、相手が同じような過ちを犯したことがあるかどうかに論点をそらす。
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激しい議論では、この手法は実際に有効な反論のように見えるかもしれない。それが信頼性を高める。だが結局のところ、これは単に責任を取ることを避けるためのものだ。
例えば、あるナルシシストが嘘をついているとあなたが訴えようとしているとしよう。そのナルシシストは嘘をついた理由を説明したり、その嘘が他人を傷つけるものだったことを認めたりする代わりに、「じゃあ、あなたは一度も嘘をついたことはないのか」と言う。
こうなると、もはや話の焦点は不誠実さではなく、あなたの過去の過ちについてだ。この論理でもって、ナルシシストはまるで「完璧な人間」だけが自分を非難する権利があるかのように思わせるのだ。
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ナルシシストは、自分の行動について有意義な会話をする気がないときに偽善に訴える手法をとる。自分を正当化する「あなただってそうだろう」という偽りの対等性、つまり自分が説明責任を取る必要も、自分の行動が不当であったことを認める必要もない現実を作り出す。
