3. ストローマン論法
ストローマンの手法は他人の主張をねじ曲げて、攻撃、反論、無視しやすくする。相手の主張を一切認めず、代わりにその主張を誇張したり、単純化しすぎたり、あるいは誤魔化したりする。
その結果、議論は不合理または極端なものとして描かれる。こうすることで、ナルシシストは説明責任から逃れ、同時に相手の懸念も退ける。
ナルシシストの行動について、あなたが冷静に不快感を表したとしよう。それに対してナルシシストは「ああ、じゃあ私は世界で最低の人間なんだね。私は何ひとつまともなことができないらしい!」と暴言を吐き始める。
しかし、自分に向けられた不満をひどく誇張することで、ナルシシストはそれを極端な非難に変え(実際には極端な非難などしていない)、代わりに相手がその場を取り繕うことに集中するように仕向ける。
ストローマンの手法はナルシシストが話を方向転換させる必要があると感じたときや、相手を守勢に立たせたいときに力を発揮する。ナルシシストは相手が示した純粋な懸念を誇張されたものに変えたり、本来の趣旨とはまったく異なるものを作り出したりして、議論が行動ではなく感情を中心としたものになるようにする。
これにより相手は今後懸念を口にするのを躊躇するようになるだけでなく、ナルシシストは現実に基づかずに相手の指摘の中から自分にとって都合のいい部分だけを抜き出すようになる。
4. 論点のすり替え
これは目の前にある本当の問題から話をそらすために、関係のない話題を持ち出して注意をそらす戦術だ。このテクニックはナルシシストが対峙する相手を混乱させ、再び自分の行動の責任を問えなくするために使われる。
例えば、感情を傷つける行為を相手から責められたときにナルシシストは突然、「昨年の私の誕生日を忘れたことを覚えている?」と言うかもしれない。
この全く脈絡のない反論によって、相手の注意はナルシシストの行為からそれることになる。ナルシシストは自分の悪行は一切認めず、代わりに相手を加害者、自分を被害者に仕立てる。
論点のすり替えは、ナルシシストが不快に感じる議論に直面したときにうってつけの手法だ。話の流れを自分が完全にコントロールできるようなやり方で、議論を脱線させることができるためだ。他の戦術と同じように、論点のすり替えは最終的にナルシシストに有利になる方向へと焦点をそらす。
相手は自分を守らなければならない立場に追い込まれる。このような注意をそらす言動は、自分の行動が相手の行動と比較したときに些細なものになるよう、あるいはそもそもその話を持ち出したことすら相手が忘れてしまうことを期待してのものだ。


