「要注意」の睡眠ハック
実践できそうな睡眠ハックを探すことから専門家に相談することまで、重要なのは注意を払うことだ。注目されているハックのうち、レッドライト(赤色光)セラピーと口を閉じるテープ、鼻拡張器、就寝前に食べるキウイ、加重ブランケットの使用は、科学的に議論の余地がある、または今後のさらなる研究が必要だとされている。
例えば、テープを貼って口を閉じて就寝することは、睡眠の中断だけでなく、酸素レベルの低下にもつながるリスクがある。また、マグネシウムやメラトニンなどのサプリメントにも、効果は疑わしいとの見方がある。専門家によると、不眠症の症状に対するマグネシウムの有効性を示す証拠は、十分に得られていない。
メラトニンについても同様だ。体内時計をリセットし、時差ボケを解消することには有効な可能性があるとみられているものの、睡眠障害と診断されたわけではない人の睡眠を改善することに、特に効果であるとは考えられていない。長期にわたって使用した場合の影響についても、複数の集団を対象にした調査を行う必要があるとされている。
※短期間のメラトニンの使用は、全般的にみて安全だと考えられている。だが、ホルモンバランスに問題がある人や妊娠を希望している人などに対する潜在的なリスクについて、さらに研究が進められているところだ。
一時的な流行の可能性も
睡眠ハックはどのようなものであれ、実践する前によく調べることが重要だ。睡眠に問題がある、日中にそれまでになかったような倦怠感がある、という人は、まずは医師に、そのハックについて尋ねてみるのがいいだろう。安全で、科学的に証明されているハックであれば、睡眠の改善につながるはずだ。
結局のところ、問題はスリープマキシングが合理的なものであるかどうかということ以上に、より良い睡眠と健康、ウェルネスのために、私たちがどのハックを実践するのかということだ。


