健康

2025.06.06 12:30

SNSで話題の睡眠ハック「スリープマキシング」は効果的か?取り入れたい方法と注意点

Ridofranz/ Getty Images

その「ハック」に科学的根拠はあるか?

米国のSleep Foundation(スリープ・ファウンデーション)によると、(2023年の発表時点で)米国では5000万~7000万人が睡眠障害に悩んでいたという。症状を訴える人が特に多かったのは、不眠、睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシー(過眠症の一種)だった。

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睡眠不足がより大きな問題になる中、流行している睡眠ハックに関心を持つのは、珍しいことではない。だが、これまでの研究によると、それらの中には科学的な根拠に基づいたものも、必ずしもそうではないものもある。さらに、睡眠補助薬など一部のハックは一時的な対策でしかなく、問題の解消につながるものではない。

不眠症や睡眠時無呼吸症といった睡眠障害は、心疾患や糖尿病、肥満、精神疾患などのリスク上昇など、深刻な健康問題につながる場合がある(反対に、これらの疾患が睡眠不足の原因になっている場合もある)。

だが、大半の人にとっては生活習慣にかかわる問題であり、的を絞ったものでも総合的なものでも、解決策を探すことには価値がある。

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安全 vs. 疑わしいハック

睡眠ハックの中には、実際に体を回復させる睡眠につながるものもある。例えば、睡眠のスケジュールを立てること(毎日同じ時刻に就寝・起床する)や夕方以降のカフェイン、就寝前のアルコールの摂取を避けること、寝室の環境を整えることなどには、科学的な根拠がある。

米国立衛生研究所(NIH)が快適な睡眠を得られる寝室のために推奨しているのは上記のほか、明るすぎる灯りや大きな音を避けること、適度な室温に調節すること、寝室ではテレビ、スマホ、パソコンなどの使用を避けることなどだ。

その他の安全な睡眠ハックには、悩み事について考えない、毎日30分瞑想する、就寝前のルーティーンにくつろぐための行動を取り入れる、運動を習慣にする、といったことがある。

また、睡眠の質を高めるためには、シャワーや入浴を就寝の1~2時間前にすること、日中に一定の時間を置いて休憩を取ったり気分転換をしたりすることなどがすすめられている。

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編集=木内涼子

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