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2025.06.09 09:15

ウナギが食卓から消える日。国際規制強化で価格高騰は新たな段階へ

Getty Images

規制はあるが闇も深いシラスウナギの取引

日本を含む東アジアでは、シラスウナギを直接食べることはほとんどなく、ほぼすべてが養殖池に入れられるので、シラスウナギは捕獲量ではなく養殖池に放した「池入れ量」という形で勘定している。

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2014年に水産庁が中心となり、日本、中国、韓国、台湾との間で池入れ量の制限を78.8トンとする合意がなされた。そのため以後は制限を下回っていたのだが、2024年から2025年にかけてシラスウナギの豊漁もあり、じつに150トンほどに急増した。半数近くが「掟破り」のシラスウナギとなる。

WWF『ウナギ類の資源管理・流通の現状について』より
WWF『ウナギ類の資源管理・流通の現状について』より

2023年から2024年の日本での池入れ量の内訳は、輸入が9.1トン、日本で採捕した量が7.1トンとなっているが、そのうち2.1トンは報告義務を果たしていない闇のシラスウナギだった。なかなか闇が深い。

現在、世界各地で採捕されたシラスウナギは、そのほとんどが香港の業者に買い取られ、そこから東アジアの養殖業者に販売されている。その行き先の大半は中国。これまで日本がウナギの最大の消費国だったが、近年の価格高騰により消費量が減少し、かわりに中国がトップに躍り出ている。

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DNAから蒲焼きにされたウナギの種類がわかっても、シラスウナギがどこから来たか、また協定違反のものが含まれていないかまでは判別できないため、業者の良識に頼るしかない。しかし、やたら安いウナギを求める消費者にも責任はある。完全養殖の早期の実用化が熱望されるが、それまでは、我々もある程度の意識を持って、貴重なウナギを味わいたい。

プレスリリース

※ファクトシートにアップデートがあったため、一部画像を差し替えました

文 = 金井哲夫

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