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2025.06.10 07:15

SNS映え優先 Z世代に響かないサステナブルの現実

gettyimages/PixeloneStocker

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美容・健康メディア『Kirei Style(キレイスタイル)』を運営する株式会社ビズキは、全国の20~50代女性2000人を対象に「サステナブルコスメ」の購買意識調査を実施。その結果、サステナブルであることがコスメ購入の「決め手になる」と答えた人は19.5%にとどまり、8割以上が「買う理由にならない」と回答した。

【調査概要】
対象者:20歳~59歳の女性
サンプル数:2000人
居住地:全国
調査方法:ネットリサーチ
アンケート実施日:2025年4月22日

今回の調査ではサステナブルコスメを「将来にわたり人・社会・環境が守られる、持続可能な方法で作られた化粧品」と定義した上で、「サステナブルコスメという宣伝文句は化粧品購入の決め手になるか」と質問。サステナブルという言葉自体の浸透率は高いにも関わらず、化粧品選びの場ではその価値よりも感覚が優先されている実態が明らかになった。

若年層はビジュアル重視、40代以降に価値観の転換が

サステナブルコスメであることが購入の決め手に「ならない」と答えた割合がもっとも高かったのは20代で84.2%。社会的な意義よりも、「価格」「見た目」「SNS映え」といった、個人の感覚レベルで購買を決めていることが背景にあるようだ。

一方で、購入の決め手に「なる」と回答した割合がもっとも高かったのは40代・50代で20.8%。肌への優しさや成分の安心感が重視される年代においては、サステナブル=品質保証と結びついているケースもあると考えられる。とはいえ「サステナブルであること」が購入の決め手に「ならない」と回答する40代・50代は約8割もいた。つまり、どの年代も購入の決め手には「ならない」人たちが多数ということだ。

高所得者ほど「サステナブル」に価値を見出す

世帯年収別では、「1001万円以上」の層がもっとも高い支持を示した。経済的に余裕がある層ほど価格以外の社会的・倫理的な価値も購買のきっかけとなっている。ブランドの世界観や企業理念への共感が、購買への納得感にもつながっているのだろう。

サステナブルは「好き」の理由にはなりにくい

今回の調査から見えてきたのは「正しいだけでは人は動かない」という購買心理の本質だ。つまり、どれだけ社会性の高い商品でも、価格や使用感、パッケージの魅力を超えられなければ選ばれないということ。この調査からは、サステナブルは“善”としての説得力はあっても、“好き”としての説得力にはまだ届いていないということがわかる。今後は「正しいから」ではなく、「共感できるから」「気分が上がるから」といった、感情レベルの接点が鍵になるだろう。

出典元:Kirei Style(キレイスタイル)

プレスリリース

文=福島はるみ

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