チップ技術における「新たな飛躍」
独立系の調査会社Artificial Analysisもこの速度に関する主張を裏付けている。同社はLlama 4上でセレブラスのチップをテストし、毎秒2522トークンという処理速度を確認した。これに対して、エヌビディアのBlackwellは毎秒1038トークンだった。
Artificial Analysisのマイカ・ヒル=スミスCEOは「我々は数十社をテストしてきたが、メタの主力モデルにおいてBlackwellを上回る推論性能を示したのはセレブラスだけだった」と語った。
セレブラスのWSEチップは、コンピューターチップ設計における興味深い進化がもたらしたものだ。
この分野では、1950年代からは集積回路(LSI)が、1960年代からはマイクロプロセッサーが製造されてきたが、数十年にわたってコンピューティングの主役はCPUだった。そして、比較的最近になってGPU(グラフィック処理ユニット)がゲームや映像処理の補助的役割から、AI開発における主要な役割を果たすものに進化した。
「当社のWSEはx86やARMとはまったく異なる新しいアーキテクチャで、GPUを加速させる設計になっている」と、セレブラスのマーケティング責任者のジュリー・シンは語った。
「これは既存のテクノロジーの延長ではない。チップ技術における新たな飛躍だ」と彼女は付け加えた。


