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サイエンス

2025.06.05 18:00

アメリカの空を彩った「インコたちの物語」 絶滅、生息地の移動、人間が変えた3種の運命

ハシブトインコ(Patrick Rolands / shutterstock)

ハシブトインコ

絶滅種であるカロライナインコと違って、ハシブトインコ(学名:Rhynchopsitta pachyrhyncha)は現生種だが、米国にはもういない。かつてアリゾナ州とニューメキシコ州の高地に分布したこの種は、がっしりした体格の緑色のインコで、真っ赤な額をしており、カラスに似た騒々しい声で鳴く。

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ハシブトインコは伐採、狩猟、生息地の断片化が原因で、20世紀半ばまでに米国の分布域を失った。この種は針葉樹の老齢林に依存し、特に大型のマツが茂る森林を好むため、森林破壊に対して極めて脆弱だったのだ。

1980年代から1990年代にかけて、ハシブトインコを米国に再導入する試みがあったものの、努力は実を結ばなかった。飼育下で生まれ育った個体を野外に放鳥したものの、捕食者やサバイバル能力の不足、適切な生息地の欠如といった、さまざまな課題が立ちふさがった。なかには自力でメキシコに戻った個体もいた。メキシコでは、ハシブトインコがいまも西シエラマドレ山脈で生きつづけている。

(余談:米国で絶滅した鳥類はハシブトインコとカロライナインコだけではない。米国から永遠に失われた、これら以外の3種の美しい鳥たちについては、こちらの記事を参照。)

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現在、ハシブトインコはメキシコ北部にのみ分布しているが、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅危惧種(EN)と評価されている。保全従事者たちは、残存する生息地を守り、個体数を安定させる取り組みにあたっている。将来的に米国への再導入を行う案についても議論は続いているものの、こうした計画の実現のためには、本来の森林生態系の再生を十分に進める必要がある。

テリハメキシコインコ

テリハメキシコインコ(Samuel Johnson/Getty Images)
テリハメキシコインコ(Samuel Johnson/Getty Images)

これまで述べてきたインコ2種とは異なり、テリハメキシコインコ(学名:Psittacara holochlorus)はテキサス州南部で健在だ。鮮やかな緑色の羽と騒々しい金切り声を特徴とするこの中型インコは、メキシコ北東部の在来種で、北への分布域拡大に成功した。リオグランデ渓谷とその周辺に、小規模な群れが繁殖集団として定着している。都市環境のなかで、豊富な食料と営巣場所を確保できることが、彼らの定着を後押しした。

テリハメキシコインコは社会性の強い鳥であり、ヤシの木立や電線をねぐらにする大きな群れがしばしば観察される。この種は順応性に優れており、果実や種子、栽培作物を餌にする。

鳥類学者のあいだでは、テキサスの個体群が純粋な自然分布なのか、それとも、一部は飼育個体のカゴ抜けや放鳥が野生集団に合流したものなのか、多少の意見の相違がある。いずれにせよテリハメキシコインコは、この地域の生態系の一部として存在感を示している。

現代の米国に分布するテリハメキシコインコは、カロライナインコやハシブトインコとは異なり、太古からの歴史を受け継いだ集団ではなく、比較的最近になって国境を超えて分布を広げた集団だ。

公式には絶滅危惧種に指定されてはいないものの、無秩序な都市拡大と、気候変動による景観の再編が進んでいることから、彼らの生息状況の継続的な調査が行われている。

forbes.com 原文

翻訳=的場知之/ガリレオ

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