暗号資産

2025.06.04 18:30

ステーブルコイン米「サークル」のIPOが暗号資産業界で注目される理由とリスク

Photo by Jakub Porzycki/NurPhoto via Getty Images

サークルの長期的な発展は事業の多角化にかかっている

サークルの収益の大部分は金利に連動しており、そのうちの大きな割合がコインベースに渡っていることを踏まえると、同社の長期的な発展は事業の多角化にかかっている。そして、その多角化への取り組みはすでに始まっている。

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サークルは、USDCとEURCというふたつのステーブルコインに加えて、以下のような複数プロダクトを運営している。

Circle Mint:USDCとEURCを発行・償還するための機関投資家向けプラットフォーム
CCTP:USDCを複数ブロックチェーン間で直接転送するための仕組み
CPN:KYCに準拠し、金融機関向けとして設計したプログラム可能な決済レイヤー
USYC:USDCにほぼ即時償還可能な利回り付きトークン化ファンド。米国の法律やサークルの基準など、特定の基準を満たした米国外投資家(米国外の適格投資家)のみ利用可能

特にCPNは、既存の金融機関向け国際送金ネットワーク「SWIFT」を置き換える「プログラム可能な決済ネットワーク」としての成長が期待されているという。調査会社BCGは、世界の決済市場を年間約2兆ドル(約288兆円)規模と試算している。

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サークルはまた、USYCと呼ばれる「利回りつきのトークンファンド」からも収益を上げることが期待されている。このファンドの投資家は、USDCを使ってUSYCトークンを購入し、サークルはその資金を用いて、短期国債などの安全性の高い運用商品に投資し、利回りの一部を投資家に還元する。

USYCはトークン形式で発行されるため、ブロックチェーン上で自由に移転が可能で、投資家が即時にUSDCに戻せる点もメリットとなっている(ただし、USYCは現時点では規制の問題で米国の投資家は対象外とされている)。

ステーブルコインの情報サイトStablewatchのデータによれば、利回りを生むステーブルコインの運用資産総額は2024年に490%急増し、14億ドル(約2016億円)から82億5000万ドル(約1兆1880億円)になり、現在は100億ドル(約1兆4400億円)に近づいているという。このセグメントでは、ブラックロックが支援するEthena(エセナ)のsUSDe、Sky(旧MakerDAO)のsUSDS、sDAIが先行しており、USYCの市場シェアはまだ小さく4%にとどまっている。

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編集=上田裕資

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