アジア

2025.06.05 09:00

スタグフレーション瀬戸際の日本 内憂外患の石破政権は「国難」を乗り切れるか

Ned Snowman / Shutterstock.com

これは日本にとってひどいニュースだ。トランプが怒りと関税の矛先を主に中国に向ける裏で、日本はその中国よりも大きな打撃を受けている。日本のGDPが1〜3月に収縮するのを尻目に、中国は同期に5.4%という目覚ましい成長率を記録した。

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石破はトランプ関税を「国難とも称すべき事態」と捉えており、それに異を唱えるのは難しい。中国による日本製品の購入力が損なわれているのに加え、トランプが日本に対する24%の「相互関税」上乗せ分をそのまま適用するリスクも残っている。すでに、鉄鋼・アルミニウムに対する関税と25%の自動車関税は日本株式会社にとって大惨事になっている。

日産自動車が最近、人員削減の規模を以前の2倍近くの2万人に拡大したことを思い出してもいい。トヨタ自動車やホンダも関税の応酬のなかで板挟みになっている。

過去20年、日本政府は円安によって自国の大企業を支えてきた。過小評価された円のおかげで、日本企業は利益を膨らませ、経営者は大規模な人員削減を避けられてきた。だが、日銀が金融政策の引き締めに転じ、トランプの政策がドル安を招くなか、この構造は危うくなっている。

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では日本政府はどうすべきか。円安に誘導するような行動をとれば、トランプワールドの怒りを買い、さらに高い対日関税をかけられかねない。景気刺激のための財政出動は、むしろ債券自警団を刺激するおそれがある。債券市場の動向に注意を払う必要があるのは、植田日銀だけでなくパウエルのFRBも同じだ。日本政府が、2025年は一刻も早く過ぎ去ってほしいと思っていることだけは間違いない。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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