恋愛関係を真に測るものは何かと問うと、正直さや敬意、コミュニケーション、コミットメントといった多くのもっともらしい言葉が返ってくるだろう。公平を期して言えば、これらが恋愛関係の重要な側面だと多くの人が考えるのは正しい。しかし同時に、これらが実際にどのようなものであるかを正確に知っている人はごく少数だ。
言い換えれば、ほとんどの人は自分が何を必要としているかはよく分かっているが、自分の恋愛関係の中で必要とすることが実際に得られているかどうかを認識できていないことが多い。だが心理学的な知見があれば把握する方法がいくつかある。
以下にイエスかノーかで答える3つの質問を挙げる。答えが「イエス」なら、あなたはおそらく良い関係にあるが、「ノー」である場合、あなたにふさわしい関係ではない可能性がある。
1. 本当に感謝されていると感じるか
即座に「イエス」と答える前に、感謝の気持ちと決まり文句を区別することが重要だ。具体的には、「ありがとう」だけで心からの感謝を伝えられると思ったら大間違いだ。
専門誌『Current Opinion in Psychology(カレント・オピニオン・イン・サイコロジー)』に2023年に掲載された研究は、感謝は2者間での経験だと指摘している。言い換えれば、感謝はあなたの認識とパートナーの行動から成る。あなたの感謝の経験はパートナーの感謝の示し方の影響を受け、逆もまた然りだ。この意味で、「ありがとう」の言葉は重要だが、それを裏付ける考えや気持ち、行動なしには成立しない。
もちろん、この研究は長期的な関係の満足度と2人の感謝の経験とを結びつけている。だがそれと同じくらい(もしかするとそれ以上に)重要なのは、実際に相手を好きでいることととの関連だ。
ありふれた「ありがとう」の言葉だけではあまり意味がないのは、このためだ。相手に感謝されても、「好かれている」と感じられるほどに中身のあるものでなければ、本当に愛されているとは感じにくい。パートナーが具体的に何のことであなたに感謝しているのかをはっきり言わなかったり、感謝の言葉がいつも同じなようであれば、それはやがて空虚に感じられるようになるだろう。
感謝は、具体的な何かと結びついて初めて心からのものだと受け止められる。そうでなければ、誠意からのものというよりも礼儀正しく反射的に発せられるものとして受け取られ始める。相手の言葉が自動的なものだと感じられるとしたら、つまり口癖のように言っているようであれば、心からの思いを伝えようとする感謝とは逆のものだ。「評価されている」ではなく、「見過ごされている」とあなたは感じるだろう。
だからこそ、この質問に対する「ノー」は注目に値する。感謝の欠如は、パートナーの優先順位の中であなたが実際にどの位置にいるかを示す多くの指標の1つだ。もしあなたがパートナーとの関係で感情的あるいは段取りの大変な作業の大半を担っているにもかかわらず、それがほとんど認められていないのであれば、なぜ自分がこの関係を続けているのかと問うのが妥当だろう。
大げさに褒められる必要はない。だが、もしあなたが過小評価されることにずっと甘んじているのなら、おそらくあなたは今以上に評価されるべきなのだ。



