売上高でインド最大手の航空会社IndiGo(インディゴ)は、国内外の旅行ブームを受けて機材の拡充計画を強化している。ブルームバーグによると、インドの格安航空会社(LLC)として知られる同社は、エアバスから追加でA350型機を30機購入して、国際路線向けワイドボディ機を増強する。これらの機体は、昨年発注済みの同型機30機と、来年納入予定の6機のボーイング787-9ドリームライナーに加わることになる。
インディゴは、2030年までに保有する航空機の数を50%増やして600機以上にする計画だと先週の声明で述べていた。
「私たちは、成長著しい国内外の路線網において、手頃な価格で定時運航の旅を提供するために、バランスのとれた成長を実現しようとしている」と、インディゴのピエター・エルベスCEOは声明で述べている。
同社は今年新たに、10の国際路線の運航開始を計画中で、グローバル拠点を50以上の目的地に拡大する。また来月には、ムンバイからマンチェスターとアムステルダムにそれぞれ向かう直行便を開始する予定だ。さらにアテネに加えて、シェムリアップやバリ、ホーチミン、ハノイなどの東南アジアの都市に向かう便や、中央アジアのアルマトイやタシケントに向かう便を新たに加える計画という。
インディゴは、機材の拡充を支えるため、バンガロール国際空港に約12万5000平方メートルのメンテナンス拠点を建設しようとしている。この施設は、デリーとベンガルールにある既存の設備に追加される。「当社は、専用のメンテナンス施設を持つことで、機体の稼働率やコスト効率の向上、ターンアラウンド(航空機が空港に到着してから再び出発するまでの時間)の迅速化といったメリットを見込んでいる」と同社は述べている。
インディゴの共同創業者ラフル・バティアはインド有数の富豪にもあたり、フォーブスはその保有資産を85億ドル(約1.2兆円。1ドル=142円換算)と推定している。彼は、同じくインドのビリオネアであるラケシュ・ガングワルとともに2006年に同社を共同創業した。しかし、ふたりは経営方針を巡って対立し、ガングワルは2022年に取締役を辞任し、インディゴの持ち株を5年間をかけてすべて売却すると宣言した。彼は先月、1156億ルピー(約1931億円。1ルピー=1.67円換算)相当の株式を売却したと報じられた。



