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2025.06.03 08:00

「通して」と「通じて」の違いとは?意味と正しい使い分け、ビジネスシーンでの使い方を例文付きで徹底解説

「通して」と「通じて」の意味とは?

言葉の成り立ちと基本的なイメージ

「通して(とおして)」と「通じて(つうじて)」は、どちらも「ある物事・手段を介して」というニュアンスを含む言葉です。しかし、その細かい使い方にははっきりとした違いがあります。

「通して」は“何かを経由して、物理・空間的に突き抜ける”あるいは“物事が一連の流れで続く”イメージです。一方「通じて」は“ある手段や期間を介して、情報・影響などを行き渡らせる”イメージを持ちます。

いずれも漢字では「通す」「通じる」という動詞形から転じた表現ですが、具体的な場面での使い分けを誤ると、文章や会話の印象を損なうことがあります。

ビジネスでの例外的な用法

ビジネス文書では、特に「通して」を“人や企業を経由する”意味で使うことが増えています。たとえば「〇〇商事を通して輸入する」のような用例です。一方「通じて」は“長い期間を通じて”や“何かを手段として行う”など、どちらかといえば時間やルートに焦点を当てることが多いといえます。


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「通して」の意味と使い方

「~を通して」=経由・媒介を強調

「通して」は動詞の「通す」から派生し、中間の何かを介在させるイメージを伴います。たとえば「メディアを通して情報を得る」は“メディアという経由地点を通過して情報が届く”状況を表しています。
また、物理的な貫通を指す場合にも使われ、「針に糸を通す」「光がカーテンを通して射し込む」など、実際の通過・通り抜けにも応用されます。

時間的継続やプロセスの一貫性

「~を通して」には、“全期間を一貫して続ける”ニュアンスが含まれることも多いです。たとえば「一年を通して雨量が少ない地域」なら「一年間のプロセス全体で」というニュアンスです。
ただし同じように「一年を通じて」という表現もあり、実はここで「通して」と「通じて」がほぼ同じ意味になる例外的なケースも存在します。しかし、細かく言えば、「通して」は期間中ずっと継続した状態を示す度合いが強めです。

ビジネス例文:人や企業を経由する

  • 「当社は輸入代理店を通して海外製品を調達しています。」
  • 「契約書は、必ず法務部を通して審査を受けることが決まりです。」

いずれも「仲介者や部署を経由する」という機能が明確で、通過点となる相手や組織の存在を強く意識させる使い方です。

「通じて」の意味と使い方

「~を通じて」=媒体・手段や時間を介して

「通じて」は動詞「通じる」から来ており、“何かを手段にして広く行き渡らせる”ニュアンスを持ちます。具体的には「SNSを通じて情報発信をする」「知人を通じてプロジェクトを紹介してもらう」など、広く伝達・やり取りが行われる感覚です。

また、時間を取り上げる場合も「一定期間を通じて行う」という表現が使われ、「この半年間を通じてプロジェクトに携わった」のように、継続的な関わりを伝えるときに適切です。

効果・影響を広げるイメージ

「通じて」には、影響や効果が“全体へ広がる”イメージが強いです。「交流を通じてスキルアップする」は、お互いの経験値が行き渡って高まる状況を示します。
「通して」と類似する場合もありますが、より相互作用や相手との結びつきを含むときには「通じて」のほうが自然です。

ビジネス例文:手段・期間を介する

  • 「SNSを通じてオンラインセミナーの告知を行いました。」
  • 「弊社製品は一年を通じて安定した売上を維持しています。」

「SNS」が介在して情報が広がる、「一年」という期間を経て結果が実感されるといった用法で、通過点というより“時間や媒体を媒介した影響”がフォーカスされます。

「通して」と「通じて」の違いを整理

仲介の存在か、効果の行き渡りか

両者の大きな違いは以下のようにまとめられます。

  • 通して:中間者や組織・物理的媒体を通過するイメージが主
  • 通じて:ある期間・手段を媒介として影響が行き渡るイメージが主

したがってビジネス文書で「〇〇会社を通して輸出する」といえば、具体的なエージェントを経由している状況。「〇〇会社を通じて人脈を広げる」と書けば、人脈という効果・影響の広がりが焦点になります。

期間を表すときの使い分け

時間に注目した表現では、「通して」も「通じて」もほぼ同じ意味で用いられるケースが多いです。ただし言外のニュアンスに微差があり、“一貫して続く”イメージを出したいなら「通して」、「何かをきっかけに発展する流れ”を匂わせたいなら「通じて」の方が自然です。

誤用に注意すべきシーン

「知人を通して話をもらった」と書くと、知人という仲介者が“単なる連絡の橋渡し”として機能している感じを強調します。
一方「知人を通じて話をもらった」だと、その知人との関係・交流によって広がった結果というニュアンスが強まり、印象が微妙に違う点に注意が必要です。

ビジネスシーンでの例文と解説

「通して」を使った例

  • 「本案件は代理店を通して契約を進める予定です。」
  • 「報告書は必ず経理部を通してから提出してください。」

いずれも組織や担当部署を経由するプロセスが重要で、契約や提出のフローを明確に示す際に適切です。

「通じて」を使った例

  • 「社内研修を通じて従業員のスキル向上を図ります。」
  • 「SNSを通じて最新の製品情報を発信し、顧客の関心を高めたいです。」

こちらは研修によって得られる効果や、SNSを活用した情報拡散といった影響に焦点があり、「通して」よりもコミュニケーション面が強調されます。

混同しやすいケースと対処法

期間を表す「一年を通して/通じて」

「一年を通して業績が安定している」でも「一年を通じて業績が安定している」でも、意味上の大きな違いはありません。前者は“年間ずっと変動が少ない”ニュアンス、後者は“年を介して成果が行き渡る”ニュアンスが若干強めです。
ビジネス文書で書く際は、社内規定などで決まっていなければ、どちらでも誤りとまではいえません。ただしニュアンスを踏まえ使い分けると、文章に深みが出るでしょう。

具体的フロー or 広がる効果

一番の目安は「フロー」「流れ」を強調したいか、「相互作用・影響拡大」を強調したいかという点です。
通して=フローやプロセス上の経由点
通じて=手段・期間をきっかけとした効果
この基準で考えると、ほとんどの場合、自然な表現が判断しやすくなります。

使い分けを意識するメリット

文章の説得力が増す

「通して」「通じて」を意識的に使い分けることで、読者は著者が何を訴えたいのかをスムーズに汲み取りやすくなります。たとえばプロジェクトの提案書で、「A社を通して海外市場へ参入する」と書けば具体的な流れを示唆し、「海外市場を通じて販路を拡大する」と書けば市場という手段により影響を広げるイメージを持ってもらいやすいです。

誤解や混乱を防ぐ

特に外部との折衝や社外文書で、誤用によって流れが曖昧になると、不要なトラブルにつながりかねません。何を介して行うのか明確にすることで、スケジュール管理や責任分担を一層はっきりさせられます。
「情報が誰を通して広がるのか」「何がどのように通じて効果を生むのか」など、意識的に区別すれば読み手が誤解しにくい文章を実現できます。


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まとめ

「通して」と「通じて」は似たような場面で使われる言葉ですが、以下のように整理すると活用がスムーズになります。

  • 通して
    経由者・担当部署など具体的な仲介やフローを意識
  • 通じて
    期間や手段を媒介にして、効果や影響が広がることを意識

ビジネス文書や会議のプレゼンでは、さりげなく両者を使い分けるだけで意味が明確になり、文章全体の質も高まります。特に契約書や進捗報告書などフローを重視する資料では「通して」、広報戦略や長期計画で効果の広がりを述べるなら「通じて」を意識して使うと良いでしょう。
ぜひ、目的や状況に合わせて適切な表現を選び、読み手に伝わりやすいコミュニケーションを実践してください。

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