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2025.06.02 13:00

「エッジAI」注目株、日本の半導体企業EdgeCortixが30億円を政府から調達

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防衛分野でも注目のエッジAI

工場のオートメーション化やロボティクスなど幅広い用途で利用されるエッジコーティックスの製品は、最近では防衛産業での採用も進んでいる。同社は、5月上旬に米国国防総省のベンチャー部門である国防イノベーション・ユニット(DIU)と提携し、EdgeCortix製品をAIによる画像処理や生成AIを含む防衛テクノロジーに活用する計画を発表した。

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DIUは昨年12月、戦闘およびエンタープライズ管理の両分野での生成AIの導入を加速する新たな取り組みを発表していた。

エッジAIは、戦場などネット接続が制限されている環境下や、セキュリティ上の脅威が存在する環境において、機密情報の迅速な処理に役立つ可能性がある。ピーター・ティールらが共同創業したPalantir Technologies(パランティア・テクノロジーズ)も、「Skykit(スカイキット)」と呼ばれるバックパックほどの大きさのサーバーを含む軍事用途のエッジAI製品を開発している。このツールは、ドローンや監視機器のセンサーからのデータをその場で分析可能な情報ユニットとして機能するとされる。

コンサルティング企業のデロイトは、2月に発表したレポートの中で、エッジAIがもたらす分散化が「テクノロジーの在り方を大きく変える」と述べていた。この分野のコンピューティング技術は、スマートホーム機器や自動運転車、ウェアラブル健康モニター、産業用IoTシステムなど、迅速なデータ処理が求められる用途や、通信が途絶している環境下で特に役立つものとなる。

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デロイトのレポートは、調査会社IDCのデータを引用する形で、エッジインフラへの世界的な支出が2022年の253億ドル(約3.6兆円)から2027年には556億ドル(約8兆円)に拡大すると予測している。

日本政府は10兆円規模を投資へ

日本政府による投資は、国内のチップ設計・製造を強化し、先端AI技術における独立性の確保を目指す広範な取り組みの一環でもある。石破茂首相は、昨年11月に閣議決定した経済対策に、2030年度までの7年間で半導体・AI分野に10兆円規模の公的支援を実施すると盛り込んだ。

これら取り組みの中核をなすのが、政府の支援を受けるチップメーカーのラピダス(Rapidus)だ。日本政府は3月に最先端半導体の量産を目指すラピダスに追加で最大8025億円の支援をすると発表し、累計の支援額は約1兆8000億円に達した。東京に本社を置く同社は、2027年に世界最先端の2ナノ(2nm)相当の半導体の量産開始を目指しており、三菱UFJ銀行やソフトバンク、NEC、ソニー、トヨタ、NTTといった大手企業からの支援も受けている。

世界の半導体サプライチェーンにおける主要な拠点でもある日本には、他にもこの分野の大手が拠点を置いている。ここには、ビリオネアの内山家が率いる半導体検査装置メーカーのレーザーテックや、米投資ファンドのKKRが出資するチップ製造装置企業のKOKUSAI ELECTRIC、ベインキャピタル傘下メモリメーカーのキオクシア、検査装置メーカーのアドバンテスト、シリコンウエハーのサプライヤーSUMCOなどが含まれる。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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