「幸せな都市」の条件とは何だろうか? 世界で最も幸せな都市は、住民が豊かに暮らし、訪れる人が魅了される環境を作り出すことに優れている。
良い都市は、住みやすい住宅や良い仕事といった点で、住民に金銭的に無理のない生活を提供するが、それだけではない。住民を幸せにする都市は、サービスの面で恩恵を与え、環境や経済、社会的な意味で人々を守る。遊び場が充実していれば5歳児にとっては良い街かもしれないが、通勤のために効率的な公共交通機関を求める社会人にとって暮らしやすい都市かどうかはわからない。世界で最も幸福な都市は、これらすべてを満たしつつ、それ以上の魅力がある。そんな都市には幸福な住民が暮らし、優れたサービスがあるため、旅行者にとっても快適な場所となる。
英ロンドンに拠点を置く調査会社ハッピーシティーハブは、世界各都市の経済、環境、行政、健康、交通、住民という6つの柱を中心に、生活の質のさまざまな側面を評価している。調査のキャッチフレーズは、「この都市が今のような姿になったのは、市民が今のような姿であるからだ」という古代ギリシャの哲学者プラトンの言葉だ。
これらの柱のうちの経済面では、失業率や生活費、平均収入、国民総生産(GDP)、出産・育児手当などが評価対象となる。環境面では汚染やリサイクル状況、緑地面積などが指標となる。行政面では、選挙投票率や地方公共団体の電子サービスの充実度などが分析される。健康面では、栄養や精神衛生といった健康指標を考慮する。交通面に関しては、公共交通網の利便性と交通事故率に注目する。住民に関しては、教育や文化、手頃な価格の住宅の利用可能性、高齢者や障害者への支援といった包括的なサービスを調査している。実際、都市のあらゆる要素が組み合わさることによって、住民の幸福度が左右される。ハッピーシティーハブが言うように、「すべての住民に幸福を保証する完璧な都市など存在しない」が、違いを生む要因は存在する。



