売上げ低迷から店頭の在庫が埃だらけになっていると囁かれるサイバートラックについて、販売代理店はすでに下取りや買取りを停止したと報じられている。状況は徐々に改善しているようだが、サイバートラックのオーナーが販売時に提示されるのは、今も「買い叩き」と言える価格だ。最新のニュースでは、サイバートラックの「新品」を購入したはずが、納車されたときにはすでに劣化していたという購入者からの苦情が紹介されていた。屋外に何カ月も展示され、風雨にさらされていたことが原因とみられる。
もちろん値下がりしているEVはテスラだけではない。前述のコックス・オートモーティブによると、4月のEVの店頭価格は業界全体で2.8%安くなっている。とはいえ1年前の3.8%と比べると、値下がり幅はやや減少している。特に値下がり幅が大きいのは高級EV(テスラを含む)で、中古EV市場でもっともお買い得なカテゴリーとなる。
オンライン中古車取引サイトiSeeCars.comが先頃実施した調査によると、過去5年間で販売価格がもっとも下がった「5年落ちの中古EV」はジャガーのSUV「I-PACE」だった。メーカー希望小売価格から72%=5万1953ドル(約750万円)も安くなるため、まさに夢の高級車をお得な価格で買えるチャンスと言える。
同サイトが5年落ちの車80万台の実売価格を調査したところ、次に値下がり幅が大きかったのはテスラの「Model S」で、5年間で希望小売価格から65.2%=5万2165ドル(約750万円)も安くなる。中古EVとしては非常にお買い得だ。
同様に大幅な値下がりを見せているのがEV市場の古株、日産「リーフ」だ。こちらは5年落ちで64.1%ダウン。新車に比べ、1万8043ドル(約260万円)安く購入できる。
さらに大きく値を下げたのはテスラの「Model X」で63.4%ダウン。5万3846ドル(約780万円)もの値下がりだ。
最後にもう1つ、新車購入者を大いに落胆させ、中古車購入者を大喜びさせる高級中古EVを挙げておこう。それは大人気のラグジュアリースポーツカー、ポルシェの「タイカン」だ。中古車価格はわずか5年で60.1%もダウン。新車と比べ、なんと5万9691ドル(約860万円)も安い価格で購入できる。


