映画

2025.05.31 17:00

キャストに聞く、Netflix『アドレセンス』はなぜ世界で共感を生んだのか?

Amy Sussman/Getty Images

本作を最後まで観た人のために、私は『アドレセンス』のチームが、この物語を観た人たちに何を感じ取ってほしいと思っているのだろうかと考えた。

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グレアムは、「お互いのコミュニケーションです。父親が息子に、母親が娘に、母親が息子に、父親が娘に語りかける。自分の家庭で何が起きているのかという意識を持つこと、そして、コミュニケーションの糸口を作り、それを継続させることです」と語る。

ソーンは、「子どもたちと話してください。これは、先生にも、親たちにも伝えたいことです。これは難しいことです。私自身も子を持つ親だから分かります。でも、子どもたちは私たちの知らない人たちと会話をしているのだから、私たちはこうした会話をオープンにする必要があります。そして、彼らが正直に、本音で話せるよう、コミュニケーションを明確にしなければなりません。そうすれば、世界中に何百万人といるジェイミーのような子どもたちを、不幸、孤立、傷つきから救うことができるかもしれません」と話す。

クーパーは以下のように語る。「特に子どもが思春期にあるうちは、仕事やビジネスのためにコミュニケーションが大幅に不足するものですが、それはすべての父親が経験することです。請求書の支払いをするために仕事をしなければなりませんが、それが家族より優先されるべきではありません。だから、息子や娘とのコミュニケーションは常に大切なのです。それは家族にとって、とても重要なことで、『アドレセンス』が示しているのは、コミュニケーションの欠如が子どもを、常にとは言いませんが、孤独に陥らせる原因になり得るということです」

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ウォルターズは、「話すことは大切です。インターネットやデバイスの普及によって、私たちはあまり話さなくなりました。だから、日曜日に食卓を囲んで、子どもと両親が一緒にランチをするような、そんな時間が必要なのです。学校はどうだった? いじめられている? いじめられていない? 私たちはもう、そういうことを普通にしなくなりました。だから、この作品を観た人たちがそれに気づいてくれるのではないかと思っています。テクノロジーが急速に発展した結果、美しい長所もあるけれど、短所もある。私たちは基本的なことに立ち戻るべきなのかもしれません。コンピューターを一生使うなと言っているのではなく、ただ、1週間のうち1日くらいは、話をするのがいいのではないかと言っているだけなのです」

ドハティは、「若い世代をどのようにサポートするかという話に火がつくことを願っています。私は親ではないので、そのレンズを通して番組を見ることの意味の強さはわからないけれど、彼らがそれについて話をしているのは分かります。私の世代の人たちからすると、このドラマのおかげで、この先そうした世界をどのように生きていくかを先取りすることができるのだと思います。なので、この作品からを観ることで、どんな芸術作品もそうであって欲しいと思いますが、それによって会話が生まれればいいと思っています」

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翻訳=江津拓哉

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