映画

2025.05.31 17:00

キャストに聞く、Netflix『アドレセンス』はなぜ世界で共感を生んだのか?

Amy Sussman/Getty Images

共同クリエイター、脚本家、エグゼクティブ・プロデューサーを務めるジャック・ソーンは、「私は自分のことを、今生きている脚本家の中で最も幸運な人物だと思っています。この番組がうまくいったのは、関係者全員がこの番組のオーナーシップを持ち、ストーリーを語る責任を負ったからです。まさに夢のようなものでした。すばらしい人たちとの、夢のひと夏だったのです」と話す。

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ジェイミー・ミラー役を演じ、今回がデビュー作となるクーパーは、「多くの家族が共感できる作品だと思います。多くの家庭に訴えかけ、関連性の高い作品です。説明するのは難しいのですが、英国北部を舞台にしたショーなので、自分の出身地とは違いますが、英国での実生活に忠実で、それが演技の助けになりました」と語った。

ジャック・ソーン(Amy Sussman/Getty Images)
ジャック・ソーン(Amy Sussman/Getty Images)

4エピソードからなるこのシリーズの作曲家たちも、Netflixの視聴者が本作に共鳴する理由について考えを述べた。デヴィッド・リドレーは、「この作品を見ることで、家庭内では多くの会話が生まれるでしょう。脚本は実にエレガントにまとめられていますが、非常にシンプルで、今の子ども達がどれほど携帯電話に依存しているのかを描いています。マノスフィア、ある種の人間関係の力学、学校で起こっていることなど、おそらく世界中で、そして英国では確実に起こっていることです。実に多くの会話が生まれました。特に親たちは、今日の子育てをめぐる問題や、その難しさについて共感しているように感じます」と語る。

同じく作曲家のアーロン・メイは、以下のように付け加えた。「もし私たちが現代において議題にあがるテーマの1つをカバーできていて、それがこれほどまで強い共感を得ることができた理由のひとつは、ワンショットという撮影フォーマットと、とてもリアルさを感じられる俳優陣のパフォーマンスがあるからだと思います。だから、この撮影方式は今回のようなテーマを描くのにとても有効だと考えていますし、テーマに現実的な背景を与えていると思います」

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アシュリー・ウォルターズ(Amy Sussman/Getty Images)
アシュリー・ウォルターズ(Amy Sussman/Getty Images)

ルーク・バスコム警部役を演じるウォルターズは、「世界中にはたくさんの親がいます。親としてこの番組を見て、感動せずにはいられないでしょう。ネット上における子どもの安全を確保するために、親として何ができるのかについて考えさせられます。私たちは皆、それを経験しているのです。私は世界中の親たちとたくさん話をしました。私にはiPadに夢中になっている8歳の子どもがいます。iPadを使う機会を減らすべきか、それとも取り上げてしまうべきか、いつも妻と話し合っています。なぜなら、その世代の子どもたちにとっては、iPadは手足のようなものだからです。『アドレセンス』は、そうした悩みをすべて吹き飛ばしてくれるものだと思います。そのような会話をしてもいいんだと気づかせてくれ、それが共感を生んでいる理由だと思います。親たちに対し、許可を与えてくれたのです」

ブリオニー・アリストン役を演じたドハティは、この番組の人気についてこう語っている。「稲妻をビンの中に詰めるような、非常に困難な試みでしたが、なぜだか、すべてが上手くいきました。みんな、この物語に参加し、全力を注ぎたいと思っていたし、この物語を正しく伝えることの重要性を理解していたからだと思います。それがみんなの原動力になったのでしょう。彼らはこの作品に参加できたことをとても誇りに思っていたし、私たちはただ、自分たちの能力を最大限に発揮しようと必死でした」

エリン・ドハティ(Amy Sussman/Getty Images)
エリン・ドハティ(Amy Sussman/Getty Images)
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翻訳=江津拓哉

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