3. コントロールできることに集中する
参ってしまったり、人生は不公平だと感じたりすると、うまくいっていないことばかりに目がいくのは当然のことだ。
だがいつも愚痴を言っていると、脳はネガティブなことを誇張するようになる。時間が経つにつれて心の中でそれが習慣となり、脳は解決策を探すのをやめてしまう。愚痴は問題解決に役立つどころか、変化の見えないループから抜け出せなくなる。
実際問題として、すべてを自分がコントロールできるとは限らない。だが重要なのは何が自分のコントロール下にあるかを認識することだ。
研究によると、ストレスを感じている人はあきらめる傾向が強いが、それは状況がコントロールできないと感じたときだ。意味のある行動を取れると信じている場合、プレッシャーを受けながらでも取り組みを続けるという。このことは、人を追い込むのはストレスそのものではなく、自分にできることはないという無力感であることを浮き彫りにしている。
だからこそ、コントロールできるという感覚を少しでも取り戻すことで、心の状態を改善し、やる気を回復させることができる。状況のコントロール可能な側面に集中する人は無力感に陥るのではなくエネルギーを解決策に向けるため、不安が減り、意欲が高まる傾向がある。
「この中で自分が影響を与えられる部分はどこか」
次回、自分が愚痴を言っているのに気づいたら、「この中で自分が影響を与えられる部分はどこか」と自問してみよう。一夜にして他人の行動を変えたり、システム全体を直したりすることはできないかもしれないが、自分の対応やコミュニケーションの取り方、置かれた状況での時間やエネルギーの注ぎ方を変えることはできる。
例えば、「私の上司は話を聞かない」と言う代わりに、「私は自分の言いたいことを明確にし、伝えるための具体的な時間を尋ねることができる」と言ってみる。これは考え方をシフトさせるだけでなく、自分が有能で、仕切っていると感じるのにも役立つ。
自分でコントロールできることに集中するということは、自分の力をどこに注ぐかを選ぶということだ。時間とともにこの変化は失望を減らして自信につながり、習慣的に愚痴を言うというサイクルを断ち切るのに役立つ。
マインドフルな感情表現を選ぶ
いつも愚痴を言うという習慣を断ち切るということは、「吐露したい気持ちを抑えたり、湧き上がった感情を即座に表現するのをやめたりすることではない」ことを覚えておくことが大切だ。感情を共有することは、経験したことを処理し、支えを見つけ、ストレスを解消するために不可欠なことだ。と同時に、感情の吐露が脳をネガティブな状態に陥らせる反復的なパターンに移行するときを意識することも役立つ。
習慣的な愚痴は問題を誇張し、解決策を見いだしたり、視点を維持したりする能力を鈍らせる。そうなるとエネルギーを消耗し、たとえ変化を起こせるときでも身動きが取れないと感じる。
このようなパターンに気づくことを学んで、それを徐々に中断することで、より力強い方法で対応できる健全な習慣を身につける余地が生まれ、最終的には回復力が高まる。
このマインドフルな気づきによって感情の自由を取り戻し、より明瞭な考えと希望をもって人生の困難に立ち向かえるようになる。


