今回の3号ファンド立ち上げは、現代グループのベンチャー投資が15年目を迎えたタイミングで行われた。同グループは、2011年に米国のシリコンバレーで初めてのCVC部門「現代ベンチャーズ」を設立し、2017年にこれを「現代クレードル(Hyundai CRADLE)」にリブランディングした。
韓国で相次ぐ「CVC立ち上げ」
ZER01NEが主に韓国国内で活動する一方、現代クレードルはベルリンや北京、シンガポールなどの世界5拠点で展開している。また、ZER01NEがスタートアップに直接出資するのに対し、現代クレードルは他のファンドに投資する「ファンド・オブ・ファンズ」としての機能を持っている。同ファンドは、今年1月にカリフォルニア州メンローパークに拠点を置くVCファームFactorial Funds(ファクトリアル・ファンズ)が2億ドル(約290億円)のファンドを立ち上げた際に、起亜とともにアンカー投資家(ファンド設立時に中心となる大口の機関投資家)として参加した。Factorialは、AI大手のAnthropic(アンソロピック)やPerplexity(パープレキシティ)の初期投資家として知られている。
韓国では、政府が2021年にCVC設立の規制を緩和したことをきっかけに、有力財閥のベンチャー投資への参入が相次いでいる。2022年には暁星(ヒョースン)グループの暁星ベンチャーズや、GSホールディングスのGSベンチャーズなどが誕生した。また、2023年には韓国産業通商資源部が42社をメンバーとするCVCアライアンスを結成し、2025年までに総額8兆ウォン(約8300億円)以上のファンド組成を目指すと発表している。
今年5月初旬には、アジア有数のタイヤメーカーであるハンコック・タイヤグループが150億ウォン(約16億円)規模の独自のCVCを立ち上げた。Hankook & Company Venturesと呼ばれるこのCVCは、AIやロボティクスなどのディープテック分野の企業のシードからシリーズBまでのラウンドに投資するとしている。


