キャリア

2025.05.31 12:00

逆メンタリング、Z世代が60代幹部のキャリアコーチをする理由

Sergio Mendoza Hochmann / Getty Images

リバース・メンタリングが流行している理由とその仕組み

DHR Global (DHRグローバル)でグローバル人事担当マネージングパートナーを務めるジョン・ステインズは、「現代の企業では、革新性と、従業員とのつながりの両方がますます求められている」と述べる。「時代を先取りしながら、協力的で魅力的な文化を育む必要がある」。

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ステインズによれば、テクノロジーや職場文化に関してZ世代が新しい視点を持っていることを経営陣は認識しており、その創造性を活用したいと心から願っているという。

「トップダウン型のリーダーシップだけでなく、あらゆる方向に学習が流れるような、本物のリーダーシップが促進される。そして、それは効果的だ!」とステインズは主張する。「私はこうした在り方を医療サービスを提供する企業Cigna(シグナ)で導入し、我々は若い同僚たちから非常に多くのことを学んだ」。

ステインズは、リバース・メンタリングの仕組みを説明してくれた。リバース・メンタリングでは、若手と上級幹部がペアになり、アイデアや経験、フィードバックを共有する。同氏によれば、従来のメンタリングモデルを逆転させたもので、双方向の学習体験が促され、世代間ギャップを埋め、新しいアイデアを生み出す助けになる。さらに、経営陣が従来の考え方を疑うきっかけになり、世代間の緊張が和らぎ、成長が促進される。

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「リバース・メンタリングを採用している組織は、より強固な企業文化を築いている。すべての意見が尊重され、あらゆるレベルの従業員が、自分の声が届いていると実感できるからだ」とステインズは話す。「リバース・メンタリングを成功させるには、経営陣がアイデアやフィードバックを真剣に受け止め、会話の内容が反映された変化を起こす必要がある」。

60代の幹部が、Z世代からのリバース・メンタリングを受け入れるのか?

経営陣の45%が、Z世代を「最も管理が難しい世代」と評価するなかで、ベテラン幹部たちは悪名高い世代の下で働くことを受け入れるのだろうか? ステインズによれば、ベビーブーマー世代(60代~70代)のリーダーは、特にその価値が明確に伝えられれば、リバース・メンタリングに前向きだという。

「Z世代の従業員が上級幹部をアゴで使うということではなく、問題に対する新しい見方をもたらすことが狙いだ」とステインズは説明する。「ためらう人もいるかもしれないが、多くのベビーブーマー世代は、機会を与えられれば、若い世代から学び、若い世代とつながりたいと考えている。重要なのは、相手を評価するのではなく、互いに尊重し合うことだ」。

Z世代の従業員がよく考えた上で自分の意見を共有すれば、ほとんどの上級幹部は前向きな反応を示すと、ステインズは確信している。同氏によれば、上級幹部が求めているのは、議論を終えた後で、楽観的な気持ちになり、チームとより調和していると感じられることだ。「私は、若手向けのリーダーシッププログラムをつくるためにリバース・メンタリングを活用している。若いリーダーたちが何を求めているかを理解することで、競合他社のプログラムとの差別化を図っている」。

リバース・メンタリングについての結論

ステインズはリバース・メンタリングについて、トップダウンによる組織成長を強力に推進するものだと主張している。リバース・メンタリングが、共感の醸成、イノベーションの促進、年齢や経験を超えたコラボレーションの強化にどう役立つかを実体験したことで、その有効性を確信したと同氏は語ってくれた。

「リバース・メンタリングによって初めて、本物の率直な会話が生まれる。たとえ自分の見方と異なっていても、若手とベテランの両方が、互いの意見に耳を傾けて理解することができる」とステインズは結論付ける。「これにより、共感が醸成される。共感は、あらゆる職場環境で極めて重要なものだ。さらにリーダーたちは、日常業務では出会わないような新しいアイデアやテクノロジーに触れることができ、イノベーションの創出と従業員エンゲージメントの向上につながる。経験や役割の異なる従業員を結び付けることで、パーパスを共有するという意識を育むことができる」。

forbes.com 原文

翻訳=米井香織/ガリレオ

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