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2025.05.30 12:30

国外に移住する米国人が増加、「学生ビザ」で夢を実現する中高年層も

フランスの首都パリにあるソルボンヌ大学(Alexandre Rotenberg / Shutterstock.com)

オランダに拠点を置き、米国人の海外移住を支援するGTFOツアーズを共同で設立したヤナ・サンチェスによると、海外留学は家族連れの間でも人気が高まっているという。サンチェスが目にしているのは、米国籍の「成人した子どもたち」だ。多くの家族にとって、目標は単なる教育ではなく、子どもたちのために海外で安全かつ長期的な未来を築くことだ。「どの国でも大抵18歳未満の子どもを同行させることはできるが、多くの親、特にLGBTなど性的少数者の成人した子どもを持つ親は、子どもを国外に出そうとしており、学生ビザで連れて行くのだ」(訳注:米国のドナルド・トランプ政権がLGBTへの弾圧を強めていることが背景にあるものと考えられる)。

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留学のもうひとつの利点は、外国の教育機関の学費が米国より大幅に安いことだ。そのため、米国より安価に教育を受けたいと考えている人にとっては、海外留学は魅力的な選択肢となる。これに加え、「欧州の高等教育は学術的な水準も高い」とエングルハートは強調した。

フランスやイタリアなどの国では、国立大学で学士号を取得するために留学生に求められる学費は年間わずか2100ドル(約30万円)程度だ。私立大学でも、年間2100~2万1000ドル(約30万~300万円)の範囲内だ。サンチェスはさらに「欧州で博士号を取得するのは極めて安価なため、本気で研究したい人にとっては今が最適な時期だ」と説明した。

さらに留学には、医療という利点もある。エングルハートによれば、フランスやイタリアなどの国に留学する学生は、米国よりはるかに安い費用で質の高い医療を受けられる。何より素晴らしいのは、留学が欧州での新生活、つまりずっと夢見てきた生活を築くための足がかりになるかもしれないということだ。

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翻訳・編集=安藤清香

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