欧州

2025.05.30 09:00

AI制御でシャヘドを撃ち落とす「ロボット歩哨」、ウクライナが導入へ

ウクライナ南部オデーサで2025年5月26日、ロシアのドローン(無人機)攻撃で破壊された住宅を見つめる男性(Ukrinform/NurPhoto via Getty Images)

一部のシャヘドは地対空ミサイルや戦闘機によって撃墜されているが、毎晩数百機のドローンを迎撃できるほどの数のミサイルは、ウクライナのみならず世界のどの国も持っていない。たとえば米国のパトリオット地対空ミサイルの年間生産数は約650発にとどまる。迎撃ドローンは有望に思えるが、まだ大規模には配備されていない。

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現在、ウクライナでシャヘドのかなりの割合を撃墜しているのは機動防空部隊だ。各部隊は防空網のシステムとつながっていて、サーマルイメージング(熱画像)カメラでドローンを捉えて機関砲か重機関銃で撃ち落とす。こうした部隊は非常に有効なものの、ほかの人間の部隊と同様に限界もある。

これに対し、移動式トレーラーに搭載されるスカイ・センチネルは、同種の能力を備えつつ、AI(人工知能)の力も活用する。休息する必要もなければ、疲弊することもなく、昼夜を問わずいつでも、即座に、かつ精確に脅威に対応できる。

スナイパー並みの精度を誇るロボット歩哨

スカイ・センチネルは標準的な重機関銃を搭載し、小型の目標を探知できるレーダーと接続されている。360度の回転が可能なため、どの方向からの攻撃にも対処できる。人間の射手が高速で移動する目標に銃弾を命中させるのに苦労しているのに対して、スカイ・センチネルは時速800kmで飛行中のドローンに被弾させることもできるとされる。時速200km程度のシャヘドなら難なく迎撃できそうだ。

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スカイ・センチネルのAI制御システムは完全にウクライナで開発されたものだ。風速や風向きといった複数の変数に対応し、鳥のようなほかの飛行物体からドローンを識別できる。空中目標に銃弾を当てるにはきわめて高い精度が求められ、開発元によればこの点が最も大きな課題のひとつだったという。

技術者のひとりはユナイテッド24のメディア部門に「こうした兵器で技術上の難題になるのは、『あそび』と呼ばれる機械的な緩みです」と説明している。

銃塔の機構で1mmのずれが生じても、銃弾は狙った点から数十m外れてしまう可能性があるという。そのためスカイ・センチネルは、反動後も機械的なあそびがほぼゼロになるように製造しなくてはならなかった。照準精度はわずか17マイクロラジアン(1000m先で17mm以下)とされ、ほかの変数に起因する誤差よりもはるかに抑えられているという。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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