アジア

2025.05.29 14:00

中国テンセント、K-POP大手SMエンターテインメントの株式10%を取得

2025年3月、「2025 Billboard Women in Music at YouTube Theater」に出席したaespaのメンバー(Maya Dehlin Spach/FilmMagic)

2025年3月、「2025 Billboard Women in Music at YouTube Theater」に出席したaespaのメンバー(Maya Dehlin Spach/FilmMagic)

中国ハイテク大手テンセントの音楽部門「テンセント・ミュージック・エンタ-テインメント」は、韓国のK-POPの大手事務所SMエンタテインメントの株式約10%を、人気グループのBTSなどを擁するHYBE(ハイブ)から取得する見通しだ。

テンセント・ミュージックは、ハイブが保有するSMエンタテインメントの株式220万株を2430億ウォン(約256億円)で取得する。この取引は5月30日の時間外取引で行われ、1株あたりの取得価格は27日の市場の終値である13万ウォンから約15%のディスカウントとなる11万ウォンとなる予定だ。

この取引でテンセント・ミュージックはSMエンタテインメント株の9.7%を取得し、41.5%を保有するカカオグループに次ぐ第2位の株主となる。ハイブは今回の株式売却について「事業の選択と集中のために非中核資産を整理した」と述べている。

韓国のMirae Asset Global Investments(未来アセット資産運用)の子会社Global Xの調査担当者は、「K-POP業界は、ここ最近の関税リスクをほぼ回避しており、中国市場の再開が進めば、大きな成長機会が開ける可能性がある。韓中関係の改善が進めば業界の追い風になる」と先の月次レポートで述べていた。

同担当者はまた、「有名アーティストの復帰や新たなグループの台頭がK-POP業界に追い風を与える可能性がある」という。SMエンタテインメントは、aespaやNCT WISH、RIIZEといった人気アーティストの新作リリースによって恩恵を受ける可能性がある。ハイブに所属するBTSも、メンバー全員が兵役を終えることで早ければ今年6月の完全復活が期待されている。

テンセント・ミュージックによる今回の出資は、エンタメ業界全体に広がる「中国当局による韓国の文化コンテンツの流通制限措置が解除されるのではないか」という期待に沿うものだ。中国政府は、米国の高高度迎撃ミサイルシステム「THAAD」の韓国配備に対する報復措置として、2016年からK-POPや韓国ドラマ、映画などのコンテンツの流入を制限する「限韓令」を実施している。

4月末にはK-POPのボーイズグループEPEXが、5月に中国・福建省での公演を予定していると発表した。しかし、この公演はその後、「地域の事情」という名目で無期限延期となっている。

中国市場でのK-POPの公演が再開されれば、チケット販売やグッズ収入の大幅な上昇が期待される。また、ライブイベント以外でもファンとのエンゲージメントを収益化する取り組みが進んでいる。テンセントは昨年10月にSMエンタテインメントの子会社DearUと提携し、中国市場向けにファン向けアプリ「Bubble」を展開すると発表した。

今回の株式の取得で、テンセントは韓国のエンタメ業界で確固たる存在感を示すことになる。テンセント・ミュージックは、BLACKPINKを擁するYGエンタテインメントの4.3%の株式も保有している。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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