宇宙

2025.05.29 10:30

NASAが「新月の画像」を公開、最新の太陽圏観測衛星で不可能が可能に

NASAの太陽観測衛星「PUNCH」に搭載された狭視野撮像装置(NFI)が2025年4月27日に撮影した、太陽の手前を横切る新月の画像。地球で反射した太陽光に照らされて、満月のように見える(NASA/SwRI)

PUNCHはどのようにして新月を撮影したか

この画像は、PUNCH衛星の1つに搭載された狭視野カメラによって撮影された。観測機器の調整作業中、地球に向いた月面が地球上で反射した太陽光に照らされてほのかに光る「地球照」という現象が生じたため、完全な影となっているはずの新月を撮影できた。地球照は、地球上の氷冠や雲、海洋が反射した太陽光が月面を照らす現象だ。

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画像に写った黒い円はカメラに設置された遮光板で、これが太陽光を遮断することで太陽のコロナや太陽風の発生源の撮影ができる仕組みとなっている。PUNCHの観測機器は調整作業中に「宇宙の虹」も撮影した。

NASAの太陽圏観測衛星「PUNCH」に搭載された広視野観測装置WFI-2がとらえた「宇宙の虹」。2025年4月18日に3枚の偏光板を使って連続撮影した画像から作成された。太陽の周囲をとりまく塵によって散乱した太陽光の偏光状態を色付けによって示している。中央上部におうし座のプレアデス星団(すばる)が見える(NASA/SwRI)
NASAの太陽圏観測衛星「PUNCH」に搭載された広視野観測装置WFI-2がとらえた「宇宙の虹」。2025年4月18日に3枚の偏光板を使って連続撮影した画像から作成された。太陽の周囲をとりまく塵によって散乱した太陽光の偏光状態を色付けによって示している。中央上部におうし座のプレアデス星団(すばる)が見える(NASA/SwRI)

次の満月

次の満月は2025年6月11日で、日本時間午後4時44分に「望」となる。6月21日の夏至のちょうど10日前だ。6月の満月は、米先住民の農事暦で「ストロベリームーン」と呼ばれる。この時期に北米で野イチゴが熟し、収穫期を迎えることに由来する名称だ。今年12回ある満月のうち、6回目にあたる。

forbes.com原文

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翻訳・編集=荻原藤緒

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