アジア

2025.05.28 12:00

「米中関税戦争」の勝利に沸く中国、「消費ブーム」到来を専門家が予測

NorthSky Films / Shutterstock.com

西側企業が中国から学ぶべきこと

それでは、米国および米国企業のブランドは今、中国市場でどういう位置づけにあるのかと尋ねたところ、レインはこう返した。「多くのアナリストは、トランプ関税の発表後に反米感情による米国製品のボイコットが起きると予想していたが、それは実際には起きていない」。

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彼によれば、中国人が米国製品を買わないのは、反米感情が理由ではなく、単に中国企業が競争力で勝っているからだという。「米国ブランドが直面している最大の課題は、中国企業に資金力があり、野心的で、経営が非常に優れていることだ。その結果、彼らは米国製品と同等のクオリティの製品を、3割安く提供できている」。

レインはまた、現状の価格競争の激しい環境下において、中国で成功するブランドが、「プレミアムブランドとしての立ち位置を確立し、卓越性や職人技、伝統にフォーカスしている」ことを指摘し、「米国企業もそこから学ばねばならない」と語った。

「米国企業は、価格では中国企業に勝てない。中国企業は常に価格を下げてくるからだ。だからこそ、米国企業は自社の伝統に一層の力を入れるべきだ。同時に、自社製品が中国のライフスタイルにどうフィットするかを理解する必要がある」とレインは述べている。

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地元有名人を広告に起用しない欧米企業が多いなか、ルルレモンやアディダスが成功

彼はまた、中国の消費者が米国製品について抱く不満についても指摘した。「我々が中国の消費者にインタビューした結果、米国ブランドに対する最大の不満のひとつが、地元の有名人を広告に起用しない点にあることが分かっている。化粧品メーカーの多くは、中国の消費者とは異なる肌質や外見を持つ、金髪で青い目の女性を広告に起用している。中国の消費者は、欧米のブランドが優れていると感じているものの、その製品が自分たちのライフスタイルにどうフィットするかを見たがっている。そのため、より多くの現地の有名人の起用を求めている」。

ブルームバーグは、カナダ発のlululemon(ルルレモン)について、中国での2024年年間売上高が、前年比40%以上の増加を記録し、初めて10億ドル(約1440億円)を突破したと報じていた。アディダスもローカライズに注力し、中国のスポーツ選手を広告に起用して成功を収めているとレインは指摘した。

「しかし、西側ブランドの多くはいまだにそれができていない」と語る彼は、「中国の消費者は、自分にとって価値があると感じれば、プレミアム価格でも支払う」と述べている。

かつて中国で大きな成功を収めたスターバックスは、現在では地元のコーヒーチェーン「ラッキンコーヒー(瑞幸珈琲)」との価格競争で苦戦しているとレインは指摘する。「今から10年前にスターバックスは『カップに入った贅沢』だった。しかし今では単なる『高すぎるコーヒー』だ」と彼は述べ、同社が新たな中国でのパートナーを模索していると報じられたことに言及した。

中国市場を目指す企業に向けて、レインは最後にこうアドバイスした。「中国国内におけるデザイン開発をもっと強化すべきだ。アパレル分野ではZARAがそれをうまくやっている。最も優れた企業は、すでにデザインのローカライズを始めている」。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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