今週は新月が訪れるため、大潮の影響で満潮時の潮位が高くなる。沿岸部では波の高さや浸水・冠水に注意が必要だ。新月を起点として新たな朔望周期が始まり、数夜にわたって優美な細い月が木星や火星と共演する。2025年5月最後の週の星空情報を紹介しよう。
5月27日(火):新月
新月の日は月が地球と太陽のほぼ中間に位置し、夜空から完全に姿を消す。月の位相は日本時間27日正午過ぎ(12時2分)に「朔」を迎える。実は、この新月は地球に近い「スーパームーン」でもある。
月は地球の周りを楕円軌道で公転しているため、月と地球の距離は変化する。月が軌道上で最も地球に近づく位置を、天文用語で「近地点」と呼ぶ。逆に最も遠ざかる位置は「遠地点」と呼ばれる。今月の新月は、地球から約36万44kmの距離にあり、新月としては今年3番目に地球に近い。
なお、新月の夜は月光が視界を遮らないため、星空の観察にはうってつけだ。天文ファンにとってはこちらのほうが重要かもしれない。
5月28日(水):細い月と木星が並ぶ
日没から約45分後に空が晴れていたら、西北西の方角の地平線付近に目を凝らしてみてほしい。とても繊細な細い月が、木星の隣に浮かんでいるのを見つけられるかもしれない。双眼鏡を使うといいだろう。
5月29日(木):三日月が「笑顔」になる
やや明るさを増した三日月が日没後、薄暮の空で前日より少し高い位置にかかる。その下の地平線近くには木星も光っている。月は、地球上で反射した太陽光に欠けた部分が照らされてほのかに光って見える「地球照」を伴っているかもしれない。
月の上方へ目をやると、ふたご座の兄弟星カストルとポルックスが並んでいるはずだ。この明るい2つの星を目に、三日月を口に見立てると、ニコニコした笑顔が完成する。月は夜がすっかり暗くなる頃に地平線に沈むが、それまで楽しそうな笑顔を眺めてほっこりしたい。
6月1日(日):月が火星に大接近、レグルスと共演
日没後の西の空の高い位置で、月齢5の月が火星に大接近する。そのすぐ左上には、しし座の1等星レグルスが青白い光を放っている。翌2日の夜には月がレグルスに接近するので、2晩続けて楽しんでほしい。



