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2025.05.28 15:15

文字起こしとブレストに有用 AIレコーダーの利便性と限界を検証

AIレコーダー「PLAUD NotePin(プラウドノートピン)」はクリップでジャケットの襟に留めて収録できる

すでにいくつかのメディアで報じられた内容だが、PLAUDブランドの製品全体(PLAUD NOTE及びPLAUD NotePin)は発売以来、全世界で70万台以上が出荷され、日本でも2024年12月の時点で約8万人のユーザーに使用されているという。

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日本では製品の売上の6割から7割がアマゾンなどのECによるものであるということだが、今後は、実店舗での売上も増やしていきたいそうだ。日本法人の「PLAUD株式会社」も、すでに2024年7月に設立されていて、今年4月から本格的に業務を開始している。

カンファレンスの会場では、オーディオ・ビジュアル評論家で、PLAUD NOTEをすでに1年以上使っているという野村ケンジ氏が登壇し、このAIレコーダーはブレインストーミングと口述筆記に役立つと語った。

オーディオ・ビジュアル評論家の野村ケンジ氏は「PLAUD Note」がいかに使えるツールであるか力説した
オーディオ・ビジュアル評論家の野村ケンジ氏は「PLAUD Note」がいかに使えるツールであるか力説した

彼によれば、インタビュー後、AIが手早く要約してくれることで、話の全体像を俯瞰して眺めることができるので、ブレインストーミングに役立つという。また口述筆記では、自分が書きたい原稿のアイデアを語りかけると、AIが整理してテキスト化してくれるので、執筆作業が効率化されるのだという。

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確かに、人間は相手の話を主観的に聴くものなので、自分が重要だと思う内容や言葉は記憶に残っていても、関心のない話題は忘れていることが多い。だが、AIによる要約を確かめると、気がつかずにいたポイントを指摘してくれる。

筆者は日々なにげない瞬間に思いついたアイデアやフレーズをメモに取る習慣が比較的身についているほうだが、ノートや手帳を取り出し、書き留めておくという行為は、いつでもどこでもできるものではない。

実を言うと、自転車で仕事場に行き来する道中、思いがけず、これは面白いじゃないかというフレーズやテーマが頭に浮かぶことがあり、最近では、いったん自転車を停め、「PLAUD NOTE」にその思いつきを吹き込んだりするようになった。

また野村氏は、外国人とのインタビューの際、通訳は限られた時間のなかで話を要約して伝えてくるが、AIレコーダーを使用することで事後に録音とテキストを確認することができ、より深い内容にたどりつけるという利点も指摘していた。筆者もその話は同感だった。

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文・写真=中村正人、写真提供・取材協力=PLAUD株式会社

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