「飛べない鳥」たちは、何百万年ものあいだ地球上で繁栄してきた。空を飛ぶ必要がなく、天敵もほとんどいない環境下で、彼らはその数を増やしていた。
しかし、人間の出現によって運命は一変する。人間は新たな捕食者や狩猟方法を持ち込み、生息環境を破壊した。
ニュージーランドのモアや、モーリシャスのドードーのような種は、人類との最初の接触から数十年のうちに姿を消した。実際、過去数千年のあいだに、50種を超える飛べない鳥が絶滅している。
2020年に科学誌『Science Advances』に発表された研究によると、現在地球上に生息する飛べない鳥は約60種。人類の出現以降に絶滅したことが知られる飛べない鳥は166種に上ることを考えると、これらの鳥がどれほどの苦難を乗り越えてきたかがわかる。
科学者たちは、こうした飛べない鳥の絶滅に、人類が直接的または間接的に関与していると推定している。つまり人間の狩猟や関連活動がなければ、現在地球上に存在する飛べない鳥は、60種ではなく200種以上は残っていたのかもしれない。
もちろん、すべての「飛べない鳥」が絶滅したわけではなく、一部は困難を乗り越えて生き残っている。以下に、絶滅を免れて現在も地球上を歩き、走り、あるいはよたよたと進む、驚くべき飛べない鳥たちを4種類ご紹介しよう。
1. ダチョウ:アフリカの平原に生き残る巨鳥
ダチョウ(学名:Struthio camelus)は、単に生き残っているというだけでなく、世界で最大かつ最も重い鳥だ。最大で体高9フィート(約2.7m)、体重300ポンド(約136kg)を超える。
サハラ以南のアフリカのサバンナや疎林(木々がまばらに立っている林)に生息するダチョウは、空を飛ぶ能力ではなく、陸地を走る速度と持久力を進化させた。時速40マイル(約64km)を超える速度で疾走し、脅威を感じると、その力強い脚で致命的な蹴りを放つ。
多くの絶滅した飛べない鳥が狩りの獲物になったのに対し、ダチョウはその大きさと速さによって捕獲されにくい。さらに、広大な開けた地形に生息するため、捕食者を発見しやすく、遠くまで警戒できる。一方、絶滅した多くの飛べない鳥は離島に生息しており、狙われても隠れる場所がなかった。
かつては羽毛や肉、皮を採るために乱獲されたダチョウだが、その後は数を回復させている。現在では世界各地で商業的に飼育されており、保護区や国立公園では、野生の個体群が安定した数を維持している。
2. キーウィ:ニュージーランドの奇妙な夜行性の鳥
ニュージーランドのキーウィは、大きさでは目立たないが(ほとんどの個体はニワトリほどの大きさ)、ユニークという点では地球上でトップクラスの鳥だ。キーウィには5種が存在し、すべてがニュージーランド固有種で、同国の「レジリエンス(回復力、困難を乗り越える力)」を象徴する存在となっている。
この臆病な夜行性の生物は、捕食者のいない環境で進化した。視力が弱く、毛髪のような羽毛を生やし、(鳥類には珍しく)鋭い嗅覚を備え、森林の地表面という生息環境に完全に適応している。しかし人間が到来し、ネコやイヌ、オコジョ(ウサギ駆除を目的に導入)などの外来種を持ち込んだ結果、彼らは生存を脅かされるようになった。
20世紀までに、多くのキーウィの個体群が大きく数を減らした。しかし捕食者管理プログラム、生息地の回復、繁殖支援などの積極的な保護活動により、一部のキーウィ種は個体数を回復している。例えばノースアイランドブラウンキーウィは近年、個体数が増加している。



