アルトマンは、OpenAIがLoveFromとの取り組みを始めた直後に、「第三の会社が必要だと気づいた」と動画の中で述べている。当初はステルスモードで始動したioは、現在では55人の従業員を抱えるまでに成長しており、LoveFromの60人とともに開発を進めている。同社は、Sutter Hill VenturesやEmerson Collective、Thrive Capital、OpenAIなどから推定2億2500万ドル(約320億円)の資金を2回にわたって調達した。なお、OpenAIは買収前の時点ですでにアイオーの23%を保有していたと報じられている。
OpenAIがioの残り77%の株式取得にあたり株主に支払う50億ドル(約7110億円)は、通常4年をかけて段階的に付与される、OpenAIの利益分配制度を通じて支払われる見通しだ。そのため、アイブがすべての株式を受け取るまでには時間がかかる。「この構造は、全員が同じ方向を向いて仕事に取り組めるよう設計されている。株式は数年をかけてアンロックされる」と事情に詳しい人物はフォーブスに語った。
アルトマンは、ioの使命について「人々がAIを用いてさまざまなすばらしいものを創造できるようにするデバイスのファミリーを作ることだ」と、動画の中で述べている。彼はまた、最初に手がけている製品が人々の想像力を掻き立てるものであることを示唆している。
このことは、彼らが取り組むプロダクトが、消費者向けのAIハードウェアであることを示している。しかし、この分野は参入が非常に難しく、メタやグーグルもさまざまなチャレンジを行っているものの、彼らのスマートグラスはまだ一般に普及していない。また、この分野にはHumane(ヒューメイン)やRabbit(ラビット)などのスタートアップもいるが、アイブは最近のブルームバーグのインタビューで彼らの製品が「出来が悪い」と酷評していた。
しかし、これまでの2回のioの資金調達に参加したSutter Hill Venturesのマネージングディレクターのマイク・スパイザーは、彼らの成功を確信している。「彼らと仕事をして以来、このチームとは絶対に競合したくないと思った」とスパイザーはフォーブスに語った。「ioの創業者たちは、コンシューマー向け製品の歴史における最高レベルの開発者たちだ」と彼は述べている。
アイブが歩んできた歴史
ロンドンで生まれたアイブは、1992年に米国に移住してアップルに入社した。「その当時のサンフランシスコとシリコンバレーの楽観主義に惹かれた」と、彼はアルトマンと出演した動画の中で語っていた。


